御祝辞 玉上晃 文部科学省 大臣官房審議官

 御挨拶に先立ちまして、先日の台風十九号により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

 それでは、記念行事の開催に当たり、文部科学省を代表してお祝いを申し上げます。

 貴学は、昭和三十八年に創立された県立新潟女子短期大学を前身とし、主に幼児教育やロシア・中国・韓国といった東アジア諸国との国際関係に関する教育等を通じ、人材育成並びに地域の発展に貢献されてこられました。その後、県内の高校生等の高等教育機会の拡充や、地元産業を牽引するなどの大きな期待を担い、平成二十一年に四年制大学として開学されて以降、地域の「知の拠点」として千七百名もの卒業生を育て、新潟県のみならず我が国の発展に大きく寄与してこられました。

 これもひとえに、花角英世新潟県知事をはじめとした歴代知事のリーダーシップ、県議会をはじめとする県や各市町村の皆様の御支援、若杉 隆平学長をはじめとする歴代学長や教職員のたゆまぬ御努力、大学を応援してくださっている各界の方々の御熱意、これまで長きにわたり貴学の開設、運営、発展のために心血を注がれた歴代の関係各位の御尽力、御支援の賜物であり、深く敬意を表します。

 この間、基本理念である「国際性の涵養」の面では指導熱心なSALC(セルフ・アクセス・ラーニング・センター)職員と連携した語学教育の実施や、国際交流センター及び外国語教育センターを設置するとともに、「地域性の重視」の面では地域連携センターにおいて様々な公開講座の実施や産学官連携事業等、地域社会に開かれた大学として活動され、「人間性の涵養」の面では、アドバイザー教員制度等の充実によって、学生一人一人にきめ細かい教育を行っており、教育面はもとより、運営体制面でも着実に充実を遂げておられます。

 また、貴学は来年の四月から国際経済・地域経済のフィールドで活躍できる人材を育成するため、新しく「国際経済学部」を開設されると伺っております。現在、我が国は、課題先進国として、少子高齢化や環境問題、経済状況の停滞等、世界の国々が直面する課題にいち早く対応していく必要に迫られています。また、欧米のみならず、アジアも世界経済の中心的役割を担うこととなり、アジアを中心として、人・物・情報などの資源の流動性はますます拡大すると考えられます。成熟社会を迎える中で、直面する課題を解決することができるのは「知識」とそれを集約し、組み合わせて生み出す新たな価値となる「新しい知」です。新学部にはこういった世界や地域が直面する課題の解決に貢献するという使命をもって高水準の教育を提供し、国内はもとより世界中の学生から選ばれる教育研究拠点となることを期待しております。

 一方、新潟県内に目を向けると、若者の都市部への流出やそれに伴う少子化の進展が加速しており、今後地域の発展や人口減少の歯止めをかけるためには高等教育機関、とりわけ貴学の役割が極めて重要と考えられます。これまでも、県内の社会人を対象としたリカレント講座を多数開催し、地域への知の還元に積極的に努められるとともに、地域活動やボランティアの依頼については、地元自治体や企業等との連携を図り、多くの学生等の参加を促したほか、県内就職者数を増やすための県内企業見学バスツアーや新潟県主催のインターンシップマッチングフェアへの参加等、様々な取組を進めてこられました。

 引き続き全学を挙げて地域貢献活動に取り組んでいただき、中期目標に掲げる「教育成果を地域に還元して、持続的な地域の発展と共生社会の実現に貢献」する大学へと発展し、教育・研究・地域貢献の各方面で引き続き力を発揮されるとともに、昨年中央教育審議会が取りまとめた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」に示すような他の機関や、関係する産業界、地方公共団体などと連携して地域における高等教育の将来像に関する議論を進めていただき、地域ニーズを踏まえた質の高い教育機会を提供し、全国や世界に誇る先導的なモデルになられることを期待しています。

 結びに、新潟県立大学をお支えいただいております新潟県、県内各自治体、教育関係者、産業界の方々、また本日、御臨席いただいております皆様方に私からも感謝申し上げますとともに、今後とも新潟県立大学への御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 貴学の益々の御発展と皆様方の御健勝を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。創立十周年、誠におめでとうございます。

令和元年十月二十五日
                  文部科学省大臣官房審議官  玉上 晃