学長あいさつ

ごあいさつ(学長から皆様へ)

   新潟県立大学は、地域社会を先導し、グローバル社会に貢献する幅広い視野と高い実践力のある人材の育成をめざしています。そのために「国際性の涵養」「地域性の重視」「人間性の涵養」を教育理念に掲げ、グローバル社会に通用するコミュニケーション力、多様性を重視する人間性、そして高度な専門力を培う高等教育に取り組んでいます。

   本学は県立新潟女子短期大学を母体として2009年に創設された新しい大学ですが、進取の学風を持つ高等教育機関として、創立以来、教育研究の充実を重ねてきました。国際地域学部、人間生活学部、国際経済学部の3学部、大学院国際地域学研究科、健康栄養学研究科の2研究科、附置研究所としての北東アジア研究所を擁する地域の中核的大学として、新潟県をはじめ国内外から1500名を超える学生が集う知の拠点となっています。

   「大学生活は、社会の一員として責任ある行動を取る上で必要な素養を培う場である」といわれます。本学に迎え入れた学生は修学し、やがて実践の場に出て行きます。学生には、大学生活を通じて豊かな教養としっかりとした基礎をもつ専門性を身につけてもらうため、学部では、基盤教育と専門教育とが両立する充実したカリキュラムを展開しています。

   基盤教育では、本学のすべての学生がグローバル化する情報社会において大きく飛躍できるように、海外留学や海外大学とのネットワークを通じたグローバルなコミュニケーション力、主体性・積極性・協調性をもって社会に係わる実践力、情報リテラシー・情報データを利活用する基礎力を培ってもらうための横断的教育に取り組んでいます。英語を母国語とするファカルティによる高度な英語教育、北東アジアの大学と連携したロシア語、中国語、韓国語教育、情報リテラシーや専門教育と組み合わせたデジタル技術等の修得に向けた実践的データサイエンス教育に特徴があります。

   専門教育では、学生は自らが選ぶ専門分野を探求します。国際関係、異文化の比較研究、英語に加えてロシア語・中国語・韓国語の言語学を専門とする学生、経済学を学び、国際経済・地域経済、あるいは大規模データを駆使して社会の課題を解決し、付加価値を高めるデータサイエンスを専門とする学生、子どもの教育・社会福祉・食と栄養を通じた健康管理の専門家をめざす学生、それぞれが自らの専門分野の学びにチャレンジし、成果を上げています。

   大学院では特色ある教育研究を行っています。国際地域学研究科では、国際政治・国際関係、国際経済・国際開発の分野での教育研究に加えて、北東アジア研究所が中心となって中国、朝鮮半島、ロシア、モンゴルの北東アジア地域に関するユニークな教育研究を行っています。北東アジアと深い関係を持つ新潟県に拠点を置く大学の強みが発揮されています。また、健康栄養学研究科では、食と栄養を通じた健康管理・食品開発を担うプロフェッショナルに相応しい高度な実践的専門力を培うための教育研究に取り組んでいます。

   これらの教育研究を担う本学の教員は、高い理想を掲げるすばらしい教育者であり研究者です。すべての学生の学びを支援するために、職員とともに一丸となって全力で教育研究に取り組んでいます。

   新潟県立大学は、豊かな平野、海、山に広がる自然環境に恵まれる日本海側最大の都市新潟に立地します。落ち着いた修学環境の下で、優れた教授陣や友人達と楽しく語らい、思う存分に学んでいただきたいと思います。

   近年完成した新校舎をはじめとして修学環境の整った本学キャンパスで皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

新潟県立大学学長 若杉 隆平