令和8年度

令和8年度入学式学長式辞

新潟県立大学に入学された403名の皆さん、入学おめでとうございます。本学の役員・教職員一同を代表いたしまして、新入生の皆さん、そして皆さんを支えてこられました御家族をはじめ関係者の皆様に心よりお祝い申し上げます。また、御来賓の皆様には御多忙の中にもかかわらずご列席を賜り厚くお礼申し上げます。

本日の入学式を迎えた皆さんは、これまでの厳しかった受験生活を終え、新しく始まる大学生活への大きな期待と幾分の緊張感を持ちながら、この場に臨まれていることと思います。皆さんは新潟県立大学をホームグランドとして、これからの人生において最も大事な時期を過ごすことになります。そうした皆さんを迎え、これから新潟県立大学の仲間として共に活動できることを本学の教職員一同、大変嬉しく思っています。

県立大学は、1963年に設立された県立新潟女子短期大学を引き継ぎ、2009年4月に開学しました。今年で17歳を迎えた若い大学ですが、この間、新潟県をはじめ多くの方々の支援により、新潟の中核的な大学として急速に発展してきました。皆さんが大学に入学するに当たって、御自身が学ぼうとする専門分野に関してある程度の心の準備をされたと思いますが、本格的な取り組みは今日からです。大学は、そうした皆さんの学びを深めるための十分な準備をしています。

高い英語力を基盤として、国際関係、比較文化、中国・韓国・ロシアの言語と社会の3つの領域での専門性を極める国際地域学部、子どもの教育、社会福祉、食と栄養を基礎とする健康管理におけるプロフェッショナルとなるための専門力を培う人間生活学部、そして、国際経済学部では、経済学を基礎に、グローバルなコミュニケーション力、情報分析力を備えた実践的人材を培う国際経済と地域経済創生の2つのコースに加え、情報化社会をリードするデータサイエンスの実践的専門人材を育むデータサイエンス経済コースがあり、皆さんの期待に応える専門教育を実践します。

大学院においては、2つの研究科が高度な教育研究を担っています。国際関係・国際政治、国際経済・国際開発、北東アジア研究の3つを専門領域とする国際地域学研究科は、英語による履修で学位を取得することができる国際的な大学院です。日本人学生だけでなく世界各地からの留学生が学ぶ場となっています。また、食と健康を専門領域とする健康栄養学研究科では、豊かな食文化を持つ新潟に相応しい健康と栄養の管理を担う高度な専門実務家を育成しています。さらに、来年4月には食と健康に関する国際的な研究者・高度専門家を育成する博士課程を設置する予定です。

本学には他の国公立大学にあまり例を見ないユニークな研究所として、北東アジア研究所を設置しています。新潟は北東アジア諸国への玄関口の位置にあります。そうした地政学的特徴を踏まえて、研究所では、北東アジアの経済、政治を専門領域として、北東アジア諸国の大学・研究機関と研究交流を行い、その成果を学部や研究科での教育はもちろん、新潟の経済界や地域社会の北東アジア地域との交流に還元しています。

本学は「国際性の涵養」「地域性の重視」「人間性の涵養」の3つを教育理念としています。皆さんが学ぶ大学は、様々な学部が集まる総合大学ではありません。その逆で、他の大学には見られない高い専門性を持つ学部・研究科・研究所の集合体です。そして、皆さんを迎え、教育研究を担う教員は、高い理想を掲げるすばらしい教育者であり研究者です。皆さんと共に、他の大学に類のない特徴のある教育研究を実践したいと思います。

社会は、皆さんがやがて大学での修学を終えるのを待っています。そして、グローバル化する社会は皆さんに高い国際性を期待しています。本学での学びを通して、専門性を高めるとともに、高い国際性を養うことにチャレンジいただきたいと思います。

大学院はもちろん学部においても専門科目を英語で学ぶ教育を実践します。海外の様々な大学との間には、国際交流協定を結んでおり、そうした海外大学に先輩達が積極的に留学しています。もちろん、海外から本学に来て、学ぶ学生もいます。

昨年、私は国際交流協定を締結するモンゴル国立大学、中国・黒龍江大学のお招きを受けて、それぞれの大学で教職員や学生の皆さんを前に講演をする機会がありました。そこでは沢山の学生の皆さんからの質問を受け、討論しましたが、モンゴルや中国の学生の皆さんが自国語でない英語や日本語を駆使して活発に質問し、討論するのを見て、少し驚きました。

本学に学ぶ皆さんには、大学が提供する様々な教育機会をフルに活用して自らの国際性を高めていただき、世界の学生達に伍して切磋琢磨してほしいと思います。

「人間性の涵養」に関わることを付け加えたいと思います。皆さんがこれから大学で経験する学びは、単に専門的あるいは実利的知識を修得することではありません。教師と議論し、友人達と切磋琢磨しながら、知的訓練を積むことで、物事の原理を追求し、真偽を見極める思考力を身につけることであり、そのための深い教養と知力を備えることです。

これからの社会においてはAIが人間に替わって多くの仕事を分担することがますます増えてくるでしょう。そういう時代に入ったからこそ、皆さんの中に鍛えられる高い知力と深い人間力は、AIが人間に替わって行う様々な作業について、その真偽を検証し、真に正しいことを責任を持って選別し、判断する上で、なくてはならないものとなります。

これからの大学生活において、皆さんには数多くの新たな仲間との出会いがあります。そうした中で、忘れてはならないのは、一人一人が多元的であることを互いに認め合い、それぞれの長所を生かし、仲間としての共感を形成することです。

” If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.”と言う言葉があります。多様な一人一人が仲間として、それぞれの持つ力を発揮し合うことが、集団や社会の進化に繋がることを体験してほしいと思います。

最後に、皆さんが充実した大学生活を過ごすには、何よりも心身共に健康であってほしいと願います。これからの学生生活が、皆さんの知力と人間力を高め、たくましく成長させるものとなることを心から期待しています。

本日は入学おめでとうございます。

令和8年4月7日

新潟県立大学学長 若杉隆平