COIL型授業の実施~Fluency II~

その他 開催日:2021年10月1日(金)~11月30日(火)

2021年度後期、国際経済学部のスキル系ACEプログラム「Fluency II-Class G」が、ボストンカレッジのモリッシー芸術科学大学の言語系科目「Intermediate Japanese I」と共同で実施されました。両大学の教員が事前に打ち合わせを行い、Padlet、メール、Zoom、Google Slides、Flipgrid(動画・プレゼン共有ITツール)を使ったオンライン共同学習を実施しました。共同学習のテーマは「日本文化」。授業中のアクティビティ、宿題、フィードバックにより、コミュニケーション能力に焦点を当て、理解力を養うことを目指しました。

1. COIL型授業の概要
時差の関係で、学生間のコラボレーションは非同期で行われました。学生同士はメールで連絡を取り合い、Zoomを使ってGoogle Slidesのプレゼンテーションを共同で作成しました。

参加者
新潟県立大学の2年生32名を16グループに分け、ボストンカレッジの芸術科学部の3年生16名が参加

実施期間
6週間 ※授業外での活動も含む

使用ICT
Zoom(オンラインセッション)、Padlet、 Eメール、Flipgrid(プレゼンテーションを録画・視聴するためのウェブベースプラットフォーム)、Googleスライド、Googleフォーム(学生による結果評価、フィードバック)

2. 授業実践の展開
LLC型COIL(Language Learning COIL)を用いて授業を設計・実施した。
第1部:交流・チームビルディング
第2部:協働・問題解決(タスク)
第3部:発表・フィードバック・振り返り

【1週目】導入と情報交換(交流とチームビルディング)
活動内容 グループ作成、メール共有
Padletの地図機能を使って、自分の出身地と、出身地/居住地の特徴を1~2つずつ発表する。指定されたL2のネイティブスピーカーとメール交換をする。ボストンカレッジの学生はUNPの学生に日本語でメールを書き、逆にUNPの学生はボストンカレッジの学生に英語でメールを書く。BCの学生からの質問に学生が答え、3つの質問をした。

学習目標
•お互いを知ることができる。
•英語/日本語で、目的を持って、真正面から交流し、コミュニケーションをとる機会を持つ。
•質問をすること(文法)に取り組む。
•英語でのメールの仕方を学ぶ。

【2-3週目】チームビルディングとコラボレーションへの導き
活動内容
グループメンバーとメール交換し、Zoomミーティングをするための都合の良い時間を探した。Zoomやメールを使って、グループメンバーと交流し、グループ発表の計画を立てた。学生は自分のグループとのやり取りを振り返り、メールやZoomミーティングを含め、グループメンバーとのコミュニケーションに英語を使う能力について考えた。

学習目標
・仲間や先生とコミュニケーションをとるためにメールを書くことができる。
・Zoomを使って計画を立てたり、仲間と連絡を取ったりすることができる。
・EメールやZoomを使ったコミュニケーションで、自分の言語能力のギャップに気づくことができる。

【4-5週目】コラボレーション/問題解決/リサーチの時間(タスク)
活動内容
各グループ(UNP/BCの学生合同)は、文化に関連したプレゼンテーションを準備した。 学生が集まり、話し合い、日本文化に関連するトピック(有形・無形・非物質)を一つ選んだ。 英語でコミュニケーションをとりながら、Google Slidesで共有プレゼンを作成。学生たちは、英語を使ってコミュニケーションをとり、タスクを完了させる能力を振り返る。

学習目標
・グループ内で協力し合って作業することができる。グループは、タスクを完了するために、授業時間外に集合し作業する時間を編成することができる。
・信頼できる情報源を使い、適切な明瞭さと流暢さを備えたリサーチを行うことができる。
・COIL型授業の体験を振り返り、感想や意見を文章で表現することができる。
・コミュニケーションやタスクを完了するために英語を使用する能力を振り返ることができる。
・Flipgrid とGoogle Slidesを使用して研究を発表することができる。

3. 練習の成果
学生同士の交流が活発に行われた。授業後のアンケートでは、多くの学生が「英語でのコミュニケーションへのモチベーションが上がった」と回答している。また、コラボレーションにより、英語を使いながら理解する力、自分の意見を伝える力が向上したとの意見が多く寄せられた。
このCOIL型授業に参加したUNP、BC両校の学生からは、次のような肯定的な意見が多く聞かれた。「海外の人との視点の違いに気づいて面白かった」「異文化の人と接することの大切さや楽しさを理解できた」「できるだけ発音に気をつけるようになった」「うまく話せなくても、いろいろな方法で伝えれば、お互いに理解できることがわかった」「Zoomで会ったときに、自分の伝えたいことが英語で伝えられるという経験を得た」「表情やジェスチャーで会話ができることがわかったので、今後、英語でのコミュニケーションで諦めて黙っていることはないと感じた」「他の国の人と交流して、一緒にスライドを作るという経験を得た」。
全体的に、学生はオンラインコラボレーションに対して非常にポジティブな反応を示していた。授業でCOILを使った感想から、交流がなかったら身につかなかったITスキルや語学力が身についたことがわかる。また、異なる国の人々の視点をより理解するという点で、異文化間能力の成長も見られた。