学長あいさつ

ごあいさつ(学長から皆様へ)

 新潟県立大学は、60年前に創立された県立新潟女子短期大学を母体として2009年に開学し、15年目を迎えます。「国際性の涵養」「地域性の重視」「人間性の涵養」を教育理念に掲げ、進取の学風を持つ高等教育機関として歩んできました。国際地域学部、国際経済学部、人間生活学部の3学部、大学院国際地域学研究科からなる教育研究組織に、令和5年度には大学院健康栄養学研究科、北東アジア研究所が加わりました。

 本学に迎え入れた学生の皆さんは修学し、やがて実践の場に出て行きます。大学生活を通じて、学生の皆さんには豊かな教養としっかりとした基礎をもつ専門性を身につけてもらうため、基盤教育と専門教育において充実したカリキュラムを展開しています。基盤教育においては、英語を母国語とするファカルティによる高度な英語教育、北東アジアの大学と連携したロシア語、中国語、韓国語教育、情報リテラシーや専門教育と組み合わせたデジタル技術等の修得に向けた実践的データサイエンス教育に特徴があります。

 専門教育では各学部・研究科のファカルティが専門性を重視した教育を行います。国際地域学部では国際社会・比較文化・露中韓の分野における専門力と豊かな国際性を備えた人材、国際経済学部では産業界、行政等の幅広い分野で国際経済、地域経済を担う専門性と実践性を備えた人材、人間生活学部では幼児教育や食と健康・食品開発の分野での専門業務を担うプロフェッショナルの育成をめざして、体系的教育プログラムを展開しています。大学院はより高度な専門人材の育成に向けた教育研究を行います。今年度に新設した健康栄養学研究科では、食と健康、食品開発に関する専門性と実践性を備えた高度専門実務家の育成をめざします。

 本学では国際的視野に立った教育研究に力を入れています。欧米、アジア諸国の大学との間での交流・連携を深めており、学生の皆さんが海外留学、オンラインによる国際的な共同授業、海外大学との共同研究に取り組めるよう支援しています。

 3年間にわたる新型コロナウイルス感染症の拡大にようやく収束の兆しがみえ始め、大学では、これまでの経験を踏まえ、コロナ前に回帰するのでなく、新たな教育研究をめざして歩み始めています。新校舎の完成により修学環境の整ったキャンパスで皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。

                       新潟県立大学学長 若杉 隆平