言語地理学のへや(福嶋秩子)

    

 

SEAL version 5.5a for Windows98について

 (99/4/29作成 5/8改訂) 
 
 

1.SEAL version 5.5a for Windows98の主な改良点

 

1998年3月にSEAL version 5.0 を発表しましたが、後にこれを改訂し、地点数の多い調査用のSEAL拡張版(SEAL version 5.2)を発表しました。このたび、これをさらに改良し、SEAL version 5.5a for Windows98を作成しました。

 
 この改訂の最大のメリットは、地図の大きさフォント指定が自在にできるようになったことです。その他の変更点も含めて、以下で説明します。

 
 1) 地図の大きさ指定
 言語地図や白地図の作製時に、地図の大きさをmm単位(小数点以下も可)で設定できるように変更しました。地図の縦方向の大きさ(サイズ)を指定します。解像度の違いや地図の形により異なりますが、一般的には150mm程度まで可能です。
 
 2) 併用時のはんこの位置設定
 言語地図作製時に、1地点で語の併用がある場合、今までは同じ位置にはんこを重ねて、表示していました。以下のように、ふたつめ以降のはんこの位置を設定できます。
 「中央」同じ位置に重ね打ちする 
 「右」、「左」、「上」、「下」 それぞれの方向にずらして表示する
 
 3) はんこ指定ファイルや地図作製日時の出力
 言語地図作製時に、使ったはんこ指定ファイルと作製日時を出力するようにしていましたが、出力するかどうかを選択できるようにしました。
 
 4)フォントの指定
 これまで、SEALでフォーム上あるいは印刷時に表示される文字のフォントはプリンタに依存していましたが、これからはフォント名、フォントのスタイル(太字や斜体あるいは標準)やサイズなど、フォントに関わる様々な指定ができるようになりました。あわせて、発音記号など特殊文字の画像ファイルのサイズを少し大きくして、2種類のサイズを用意し、それぞれ標準の他に太字のフォントも用意しました。この特殊文字ファイルの選択はフォント指定に連動して自動的に変更されます。なお、要望に答え、スペイン文字を特殊文字リストに追加しました。
 
2.SEAL version 5.5a for Windows98の使い方
 
  SEAL version 5.5a for Windows98の使用方法を順を追って説明します。
 
 1) まず、SEAL version 5.5a for Windows98をインストールします。システムの入手方法は、原則としてFDによる提供とします。ダウンロードは当面できません。ご連絡いただければ、SEAL version 5.5a for Windows98のインストール用のディスク3枚とデータディスク1枚をお送りします。

  詳しくは SEAL version 5.5a for Windows98のインストール を参照してください

 

  データファイルをコピーして、規定の位置に配置します。\SEALディレクトリの下にSeal.exeがあるはずですが、同じく\SEALディレクトリの下に\SealData\と\SealSymbol\を配置します。

 \Seal\ ----------  Seal.EXE   ----------  \SealData\    ----------  \SealSymbol\ 

 

 3)SEAL version 5.5aをインストール後初めて起動する前に、以下の操作を行ってください。

 

 SealDriveName.mapの削除

 エクスプローラで、すべてのドライブについて(およびフロッピィを使用する場合はフロッピィについても)SealDriveName.mapを検索([ツール]−[検索]−[ファイルやフォルダ])し、すべて削除します([ファイル]−[削除])。このファイルは旧版でも使用していましたが、今回このファイルにフォント指定に関わる情報を含むよう改訂したからです。検索時にマイコンピュータを指定すると、コンピュータ全体を一度に探すことができます。

 なお、SEALがうまく動かない場合、この操作を行うと、うまく動くようになることが多いので、試してみてください。

 

 4)[スタート]−[プログラム]でSealアイコンをクリックするか、エクスプローラでSeal.exeをクリックして、SEALを起動します。

 

 旧版では、SEALをセットアップ後はじめて起動するときには、SEALのドライブ名と地図名を設定していましたが、新版では、ここにフォントの指定が加わりました。この設定は通常最初に行うだけでいいのですが、新たな地図データを扱うときや、プリンタで印刷を試みた後にフォント変更の必要性を感じたときには、SEALを起動してここで設定し直します。

 

 SEALデータのドライブ名、地図名、フォントの入力

 SEALを起動すると、以下の表示が現れます。

 

  ドライブ a:\ でいいですか

    (a)地図名 sample

    (b)フォント名 JSP明朝

    (c)フォントスタイル 標準 

    (d)フォントサイズ 12 でいいですか

    (e)特殊文字の位置の設定

    (f)はい(Y) いいえ(N)  

 

 (a), (b)は従来のバージョンでもあった設定です。(c), (d), (e), (f)が新たに付け加えられた設定です。どれかの設定を変えたい場合には「いいえ(N)」を選択します。以下、順にしたがって、(a), (b), (c), (d), (e), (f)をセットします。

 

 a. ドライブ名の入力 (a)の設定 

 Sealのドライブドライブ名を入力して下さい と表示されるので、ドライブ名を入力します。例えば、 a:\ c:\ a:\Program Files\など。 注意すべきことは、Sealフォルダーの前のパス名までを入力するということです。

 c:\Seal\...やa:\Seal\...となっているときはc:\あるいはa:\と入力します。c:\Program Files\Seal\...やc:\Sea55\Seal\...となっているときはc:\Program Files\あるいはc:\Sea55\と入力します。ここで最後の\がないとエラーになるので注意。 

 

 b. 地図名の入力 (b)の設定 

 Sealの地図名地図名を入力して下さい と表示されるので、作業を行う言語地図名を入力します。すなわち\SealData\の下のフォルダー名を入力します。サンプルデータを扱うなら、sampleと入力します。 

 

 c. フォントの入力  (c), (d), (e) の設定 

 フォントの設定フォントを入力して下さいはい(Y) いいえ(N) と表示されるので、フォントを設定し直す場合は「はい」を選択します。「いいえ」を選択すると、新たな設定をしないということですから、既に登録してあるフォントなどを以下で用いることになります。

 「はい」を選択すると、「フォント指定」ダイアログボックスが表示されます。「フォント名(Y)」、「スタイル(Y)」、「サイズ(S)」について適当なものをクリックし、最後に[ok]をクリックして選択します。

 「フォント名(Y)」...画面上の「書体の種類」を参考にしながら、フォントの種類を選択します。一般には、「MSゴチック」「MS明朝」「MSPゴチック」「MSP明朝」等を選択します。 ここで重要なことは、先頭に$、%、&、@のついたフォント名は選択しないということです。これらはSEALでは使うことができません。また、漢字を使用するので、書体の種類が[欧文]となっているものも選択できません

 「スタイル(Y)」...「標準(Standard)」「斜体(Italic)」「太字(Bold)」「太字斜体(Bold Italic)」のうちからどれか選択します。

 「サイズ(S)」サイズをポイント単位で選択します。

 特殊文字は「スタイル」「サイズ」の設定に従って自動的に選択されます。特殊文字のフォルダー名は以下の通りです。

   \SealSymbol\Standard16

  \SealSymbol\Bold16

  \SealSymbol\Standard18

  \SealSymbol\Bold18

  2回目以降の実行時には、「SEALデータのドライブ名、地図名とフォント」メッセージボックスで、これでよいか確認を求められますので、変更が必要なときのみ、[いいえ]を選択し、初回と同じように入力します。 なお、フォントのスタイルで[太字]あるいは[太字斜体]を選択すると、発音記号など特殊文字のファイルは自動的に太字のファイルが選ばれます。

 

 d. 特殊文字の位置の設定  (f)の設定

 特殊文字の上下方向の位置がハードウエアに依存してずれてしまうのを修正する設定です。まず「0」を入力し(これが初期設定である)、特殊文字が他の字の位置とそろっているか否か確認します。文字が上にずれていれば正の数を、下にずれていれば負の数(小数も可)を入力します。

 

 「特殊文字の位置」 特殊文字の位置を入力して下さい。

   -3.0〜3.0ポイントに設定 0で標準

  数字が大きくなるほど下に移動

 

 と表示されるので、-3.0〜3.0(これはポイント数である)の間の数(小数可)を入力します。特にずらさない場合は「0」を入力します。

 

 6) 前項までの入力が終わると、SEALメインフォームが表示されます。[地図化]ボタンをクリックすると、「言語地図」フォームが現れます。

 

 )「言語地図」フォームの[ファイル]メニューを次のように修正しました。

  ファイル(F) 

 併用時のはんこの位置設定(F)  

 はんこファイル名の印刷(W) 

 地図サイズの設定(S)

 印刷(P)

 戻る(Q)

 

 赤字が新しい機能です。これらはいずれも

 [言語データ−データ入力]

 [言語データ−はんこ入力]

 [地図−言語地図]

を経て、一度言語地図を作製した上で、必要に応じて選択します。その後、再度[地図−言語地図]を選択すると、希望する形の地図が出力されます。

 

 a. 併用時のはんこの位置設定

 同一地点で併用がある場合に、はんこを重ね打ちするか、ずらすかを設定できます。ずらす方向は、右、左、上、下です。三つ以上ある場合は、同じ方向に次々にずらして表示されます。

 なお、このずらしは、大きめのはんこの場合に重なり合う程度のずらしです。

 

 b. はんこファイル名の印刷

 画面右下に、使用したはんこファイル名と地図の作製年月日時を出力するかしないかを選択します。

 

 c. 地図サイズの設定

 印刷する地図のサイズをmm単位で設定できるようにしました。地図の高さをmm(小数点以下も可)で設定し、指定通りの大きさで地図を印刷することができます。0mmのとき初期設定にもどります。

 なお、この地図サイズを設定しても、画面上の地図の大きさは変わりません。地図を大きくすると、文字が相対的に小さく表示されます。地図を大きく印刷すると、線の太さも太くなって印刷されます。一方、文字は指定したとおりに印刷され、はんこの大きさや線の太さも変わりません。

 地図の大きさの指定とフォント指定をうまく組み合わせると、最適な大きさで見やすい言語地図を作製することができます。  

 

地図の大きさを変える方法

 なお、地図の大きさを変える方法は、[地図サイズの設定]の他に次のようなものもあります。

 a) 「地図化フォーム」の大きさを変える。

 最大化ボタンをクリックするか、「地図化フォーム」の右下をドラッグします。

 b) Windowsの「コントロールパネル」の画面の設定を変更し、解像度(ピクセルの大きさ)を変えます。

 

 [地図サイズの設定]の方法を用いて、凡例が正しく表示されないときがあります。そのような場合には、a)、b)の組合せを試みて適切な地図を作製してください。地図サイズの設定で「0」を入力するとSealの初期設定した地図の大きさに戻ります。

 

  *SEAL version 5.5a for Windows98の使い方のほとんどが旧版と共通です。使い方の詳細については、旧版のマニュアル(福嶋・福嶋1998)を参照してください。まだ残部があるので、希望者にはお送りします。 


 

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