ブックタイトル平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

第1回 災害復興と地域づくり?大震災からの経験と教訓?3域でコミュニティの色濃く残る地域であったため「あそこのおばあちゃんはあの部屋で寝ているはずだ」という情報を集落の方が知っていて、協力して助け出したという絆の強さ、コミュニティの強さが被害を軽減した大きな要因だと思っています。また、例年だと10月後半は荒天が多く時にはみぞれも混じる時期でありますが、地震後数日間は快晴が続き路肩やビニールハウスなど屋外に避難空間が確保されたこと、米の収穫が終わっていたこと、積雪期に地震が起きなかったことはまさに不幸中の幸いでした。私も本震発生後若手職員と陸路小千谷へ急行、翌日はヘリで激震地、川口・山古志等を調査、何としても雪降りまでに被災者の居住の安定を確保し、お正月には家族一緒に温かく暮らせるようにと戦場のような日々が始まりました。「一刻も早く仮住まいの提供を」????震災翌朝から現地調査を開始、被災市町村の担当者と共に真に仮設住宅を必要とする入居者、世帯属性等の把握作業を始めました。多くの被災者が、続発する余震の恐怖でなかなか自宅へ戻ることができなかったことから把握作業は困難を極め、特に被害の甚大な小千谷市、川口町、山古志村には県職員を派遣、地元職員を補完し不休で作業にあたってもらいました。併行して全国のプレハブメーカーで構成するプレハブ建築協会と連携、電気、ガス、上下水道等インフラ供給者との施工体制を構築、厳しい調整を行いつつ建設候補地の調査選定、住戸プラン・配置設計、昼夜を徹した突貫工事を進め、被災した13市町村64団地に3460戸の応急仮設住宅の建設を行いました。11月20日から順次完成、入居、12月15日には最後となった山古志住民の団地が完成、雪降り前の12月22日には全ての避難所を閉鎖することができました。みぞれの降る過酷な状況下、不眠不休で建設に関わった各社の担当者、職人さん、全国から応援にかけつけてくれた国や都府県の職員の皆様にはあらためて深く感謝する次第であります。被災地は軟弱地盤が多く、平場の建設適地がなかなか見つからないなかで出来るだけ短期間で多くの人々を救わなくてはならないこと、一方で豪雪に対応したゆとりある空間づくり、コミュニティの場や畑・花壇のスペース、盆踊りなどイベントができるスペースの確保等を図りたいということなど多くの課題に悩みながらの大変苦しい設計作業でした。住戸タイプは1DK(6坪、19.8平米、単身用)、2DK(9坪、29.7平米、2・3人用)、3K(12坪、39.6平米、4・5人用)の3タイプを設計、大家族にはこれらを組み合わせて提供、奥行きを3間に統一、異なる間取りを連結可能にし、多様な家族が助け合えるように配慮しました。?? 被災地が全国有数の豪雪地域、高齢化の進んだコミュニティが色濃く残る、土地とのつながりが強い典型的な中山間地域であることから設計積雪2㍍に耐える構造強化、断熱性向上、玄関風除室や雪囲い等積雪寒冷対策やバリアフリー化に工夫しました。しかしながら建設直後、多いところでは積雪が4㍍近くと19年ぶりの豪雪に襲われ結露や雪下ろしが大7 University of NIIGATA PREFECTURE