ブックタイトル平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

平成29年度 新潟県立大学 公開講座 地域を守る。家族を守る。?いざという時のために?2平成27 年度建築学会北陸支部記念講演会資料より ??中山間地域を襲った大震災からの復興と地域再生への取り組み????新潟県建築士会?? 常務理事?? 渡辺?? 斉 ?? ?? ?? ?? ?? ????2004年10月23日、阪神淡路大震災以来の震度7の激震が、過疎、高齢化、豪雪、農林業の衰退等に悩む典型的な中山間地域、新潟県中越地域を襲いました。当時は新潟県建築住宅課参事として応急仮設住宅建設の総括を担当、翌年、全村避難を余儀なくされた山古志村を含む10市町村が合併した長岡市の長島復興管理監(旧山古志村村長、衆議院議員転出)の後任に出向し、被災者の住まいや生業の再建、壊滅的な被害を受けた集落の再生、山里の持続可能な復興に向けた中間支援組織「山の暮らし再生機構」の設立等に取り組みました。無我夢中の3年あまりでありましたが、現場の最前線で取り組んできた経験と教訓について報告します。震災から12 年、全国の皆様からいただいた多くのご支援のお陰で、そして何よりも被災をバネにした住民自らの村を良くしていこうという取り組みの力で山古志はじめ中越の山里では落ちついた暮らしを取り戻しつつあります。中山間地域を取り巻く情勢は依然として厳しいものがありますが、中越地域に暮らす人々が大震災を乗り越えて自然と寄り添いながら心豊かに誇りを持って暮らしていけるよう願っています。「地震・被害の概要」????10月23日17時56分、震度7、マグニチュード6.8の本震発生、最大加速度は川口町で2515.4ガル、地盤災害と集落の孤立、そして余震が多いのが特徴で震度5以上の余震が2ヶ月あまり続き被害は甚大なものへと拡大しました。直下型であったことと、軟弱地盤地域であったため住民が大変怖い思いをした地震です。死者68人、負傷者4795人、建物の全半壊は約17,000棟、避難所の開設はすべての仮設住宅が完成した12月22日まで続き、ピーク時には10万人を超える被災者が過酷な避難所暮らしを余儀なくされました。また自動車による車中避難も多く、エコノミー症候群等の課題は指摘されましたが、今後は有効な避難空間としての活用方策を検討することも必要だと思っています。阪神と同様な強い揺れを記録しましたが直接建物の倒壊で亡くなった方は14人で5千人を超えた阪神と比べ圧倒的に少なく、長い歴史のなかで豪雪と戦い、いわゆる雪国仕様の住宅を供給してきた建築士、大工、職人の皆様には感謝しなければなりません。また、中山間地University of NIIGATA PREFECTURE 6