ブックタイトル平成29年度公開講座記録集

ページ
25/30

このページは 平成29年度公開講座記録集 の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

平成29年度公開講座記録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

平成29年度公開講座記録集

第2回 家族を守る。?我が家でできる災害の備え?●パネルディスカッション登壇者によるパネルディスカッションでは、講師の菊野麻子氏、土田直美氏、本学の角張慶子准教授による討議及び質疑応答が行われた。以下は、その要旨である。角張:それぞれ違う視点から防災、減災を考えていらっしゃる立場から、それぞれのお話を聞いて、感じたことは。菊野:普段できないことは災害時にもできないということが印象的であった。携帯トイレの使用方法を例にとると、防災グッズは備えて満足してしまうことが多いが、買ったから安心ではなく、実際に使ってみることで、使いにくさも見えてくることがある。また非常食でも実際に作ってみないとわからないことがある。角張:買うところまでひとつハードルがあり、買って満足ということはある。お子さんのいる家庭だと、成長により必要なものも変わるため、こまめなチェックが必要ということだろうか。菊野:防災ポケットメモも1 年経つと状況も変わる。勤務地の変更や、お子さんも保育園から小学校、小学校から中学校と環境が変わると、書いてある項目が変わる。年1 回は家族で防災会議をするなど作って安心ではなく、定期的な見直しが必要であることも合わせて話している。土田:防災に関する活動に取り組まれたきっかけが、まさしく私もそうであった。やはり働く女性にとって災害時にどう対応していくかは本当に大きな課題。私自身は幸いにも同居のお姑さんがいたので頼りになった。当時は必死だったので気づかなかったし、親として受け止める余裕もなかった。働く女性の災害時の対応はやはり課題である。角張:それぞれの立場で活動する中で、活動の難しさや課題は。菊野:防災事業は市や行政が主催したり、自主事業で行っているが、告知をしても参加者が少ない。災害はいつ起こるかわからないし、生きている間に遭わないかもしれないので、つい後回しになってしまう。そこで情報を届けたい人たちに届けるため、PTA事業の一環で実施している。今は却って子どもの方が防災に詳しく、小中学校では避難訓練、サバイバルクッキングなど防災事業に取組んでいて、親よりも詳しい。角張:大人世代がいかに防災に関心を持つのかが課題か。土田:同じように、防災活動をしている防災士などから声を聞くと、防災訓練も毎年マンネリ化してきている、だんだん人が集まらないということがある。子どもたちの学びが進んできている中、活動している大人たちの活動がうまく混ざり合えば、地域の中でも広がっていくと実感している。三条地域で企画した防災リーダーワークショップは、シンポジストとして中学生、高校生、大学生、大人と、各世代で主体的な活動をする人々が一同に会する。さまざまな世代が交流する機会はほとんどなく、そういった場面を活用しながら、地域の防災力の向上につなげていくべきだと思う。角張:災害の記憶は日々薄れていき、経験していない子どもたちも生まれてくる。そんな中で子どもたちの関心が高いということは心強いことだと思う。●質疑応答フロア:災害時の家族との連絡方法について、電話が通じない場合の対策として、アイディアがあったらご提案いただきたい。菊野:災害用伝言ダイヤル(171)でメッセージを録音する、聞くという方法もある。その他、LINEなどのSNSは比較的電話よりもつながりやすい。それでも連絡が取れないこともあるため、家族との集合場所を決めておくとよい。また三角連絡法という方法もあり、被災地から離れた遠方の親戚などに連絡し、そこを経由して連絡を取る。171も一人ではなく、家族や友達同士で練習しておくことが大切。毎月1 日と15日には体験利用ができる。フロア:災害時に職業柄、仕事に向かわなければな第2回公開講座家族を守る。?我が家でできる災害の備え?第2部 パネルディスカッション・質疑応答23 University of NIIGATA PREFECTURE