ブックタイトル平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

第2回 家族を守る。?我が家でできる災害の備え?第2回公開講座家族を守る。?我が家でできる災害の備え?第1部 講話②「災害時の食の備え~食の面からの減災に向けて~」新潟県三条地域振興局健康福祉環境部地域保健課管理栄養士・防災士 土田 直美 氏【新潟県における災害時栄養・食生活支援活動の取組み】はじめに新潟県でこれまで行ってきた、災害発生時の栄養・食生活支援活動の経緯を紹介する。●中越大震災(平成16年)新潟県策定の「地域防災計画」の中に炊き出しの栄養管理指導、巡回栄養相談等の栄養指導対策がある。当時、新潟県庁で勤務し、実態把握、食生活支援活動と県庁内・関係団体との調整を行った。地震発生2 日後頃から、県栄養士会と連携して疾患のある方や高齢者、乳幼児等の食事に特に支援の必要な方(要配慮者)向けの食事を入手、各避難所への配布や個別対応を行った。そして特に被害の大きかった地域の避難所の食生活実態を調査した。新潟県としては昭和39年の新潟地震以来、40年ぶりの大きな地震、また私自身初めての経験であり、情報収集の難しさを感じ、先が見えなかった。その経験から、(仮設住宅、一般被災住宅の)実態把握としての食生活状況調査や活動のガイドライン策定を行った。●中越沖地震(平成19年)その後しばらくないだろうと思っていた矢先、中越沖地震が発生した。食生活支援活動は、中越大震災時に策定した活動のガイドラインに沿って行った。当時、柏崎保健所に勤務し、発生当日は、情報収集、災害食確保等。発生から72時間以内では、県内から派遣された栄養指導員と協力し栄養相談窓口を設置した。避難所では食事の問題をなかなか言い出しにくい方が多く、「心配がある方はご相談ください」というチラシで呼びかけた。発生から4 日目~ 1 か月では、疾患を抱える方等、食の問題が顕在化する。避難所では食事づくりへの意欲低下もみられ、野菜たっぷりメニューの提供等、少しずつ元の生活に戻るよう工夫した。また事業復興も兼ねて、地元の事業所によるお弁当提供の取組みも実施した(「柏崎弁当プロジェクト」)。●中越沖地震での取組み検討会の立ち上げ「柏崎地域災害時食生活支援システム検討会」食生活支援活動の検証が行われ、課題として、要配慮者への食供給がうまく回らなかったことが挙がった。そこで「災害時要援護者用備蓄モデル事業」として、対象者や必要な食品の種類や量を事前に把握し、備蓄食品として確保する取組みを行った。モデル地域では現在も各市町村の予算で備蓄食品確保が継続されている。東日本大震災(平成23年)では被災地外での支援活動と熊本地震(平成28年)では被災地への派遣においては、要配慮者への食品の確保等、これまでの地震の経験を踏まえた栄養・食生活支援活動を行った。【日頃からの備えに関する活動~長岡・三条地域での取り組み~】●災害食普及への取組み「にいがた災害食グランプリ(平成26年)」(長岡地域)災害食を非日常としてでなく、日常に使うものとして扱う発想の転換が必要だという提案から事業化を行った。コンテスト受賞作品を「にいがた災害食レシピ」として発行、好評を得た。特徴は、一般食のみならず、アレルギー対応食部門を設け、ライフラインが止まってもカセットコンロ、鍋、ペットボトルの水があればパッククッキングの技術で作れることである。また、長岡野菜を使ったレシピであり、食の備えのチェックポイントも掲載されている。●防災と食の親子体験教室「食のふしぎはっけん・親子ジャングル!(平成28年~)」(三条地域)地域における自然災害への対応力向上、災害時の食の備えの充実を目的とした、管内市町村の防災部局、栄養部局、教育委員会との連携事業である。親子を対象に、地域の災害の特性や防災の必要な知識を知り、減災のために必要な能力を身に付けていく17 University of NIIGATA PREFECTURE