ブックタイトル平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

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平成29年度公開講座記録集

第1回 災害復興と地域づくり?大震災からの経験と教訓?5?? 開発のコンセプトは・山古志らしい住まい(地域の伝統的な技術やデザイン、近隣とのお付き合いに配慮、美しい風景になじむ外観)・雪と上手に付き合う住まい(きつい雪下ろしからの解放、冬でも暖かく明るい住まい)・地域循環型の住まい(県産材・自然素材の活用、地元大工技術の活用と継承)・住まい手のコスト負担軽減(補助制度活用、資材の共同購入、共同建設等)・安全、快適、長寿の住まい(耐震性、断熱性、気密性等の向上)?? とし、モデル住宅を建設、被災者とのきめの細かい相談会等を行い普及に努めました。価格は標準の4間×4間の総2階、吹き抜け4坪の床面積28坪タイプで県や基金からの補助等により1250万円から1350万円(高床式)で供給できるようにしました。?? また自力再建が困難な世帯については同様なコンセプトで住み慣れた集落ごとに木造による復興公営住宅の建設を行い居住の安定を図りました。「集落の総合的な再生へ話し合いを重ねる」?????? 幹線道路網が崩壊、寸断し全村避難を余儀なくされた山古志地域14集落のうち特に壊滅的な被害を受けた6集落については、2006年3月まで避難指示を継続しましたが、山を下りるという選択ではなく、できるだけ元々あった集落の位置に総合的な再生計画をまとめ、その上で個々の住まいの再建を行うこととしました。?? 計画の策定にあたっては長い歴史のなかで育んできた魅力ある自立した山の暮らしの再生を目標に、基本方針として・厳しい冬の暮らしを快適に暮らすことのできる住環境の整備・温かいコミュニティの再生とあらたな生業の展開・美しく魅力ある集落空間の整備を掲げ、具体的な面整備等を進めました。?? ?? また、合意形成までには当初の予定より長引き、約一年半と長い時間を要しましたが計画づくりの段階から集落住民の主体的な参加を促し、話し合いのプロセスを尊重、住民自らによる意志決定を重ねながら計画づくりを進めました。専門家や行政が決めるのではなく、住民自らが決めることで村に帰ったとき直面する様々な課題を乗り越えていけると考えたからであります。事実、村が無くなるかもしれないという苦しい時を住民の皆様が力を合わせて乗り越えたことによりふるさとに対する誇りや愛着が震災以前より一層強まっていったと確信しています。?? ?? 計画の合意形成後2006年春から事業着手、2007年12月には住まいの再建が完了、引き続き、新たな生業の場づくりや都市農村交流の場づくりなどが進められています。3年余りと最も長く仮設暮らしを余儀なくされた集落の皆様からは「はじめは全てを失って先行き不安でつらい日々であったが、お互いに助け合って暮らしたこと、仮設の菜園で9 University of NIIGATA PREFECTURE