ブックタイトル平成28年度公開講座記録集

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平成28年度公開講座記録集

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平成28年度公開講座記録集

平成28年度 新潟県立大学 公開講座 新しいつながりのかたちを求めて参加者D:里親さんとファミリーホームをされているお二人に。今、お話を聞いていて、とても家族のように楽しそうだなと思いました。子どもと関係をつくるにはとても長い道のりがあったと思うんですけれども、子どもと心を通わせるために心がけたことがあったら、教えてください。伊藤:虐待されて来る子どもさんっていうのは、自己肯定感が非常に低いというような話が出ましたけれども、いわゆる、ほめられ慣れてない。また、自分に話し掛けてもらう機会が非常に少ないという子もいました。ですから、話し掛けてもらうっていうことを知らないというか慣れてない子どもに対しては、とにかく少しずつ話し掛け。あいさつから話し掛けて、あとはもうひたすら、その子のことを小さいところでもいいところを見つけてほめていく。こんなに自分を否定しなくていいんだっていうふうに、だんだんなっていくんですね。その子によって、かかる時間は変わっていきますけど。それをひたすらやっていくところから。本人が自分のことを、どんどんちょっとずつ好きになってってもらって、そこから関係をつくっていくっていうのがいいのかなと思って、私はやっております。五十嵐:うちに初めて来ると、なんで自分はこんな所に来たんだろうかと子どもたちは思うわけです。子どもたちは、いろんなことをしてみせたりします。初めはいい子にしてますけど、ベッドの上にふとんをきちんとたたんだりして、早く起きてきて、「おはようございます」とか。そのうち慣れてくると本当の自分を出してきます。初めのうちは、彼らのやることを否定しないということを大事にしています。たとえ握りばしであろうと、たとえ食べ方がどんなだろうと、取りあえずうちに慣れてくれるまでは、否定しないで、時間をかけて通常の形に持っていけるように、繰り返しやるようにしています。あとは、居場所を確保するということも大事かなと思います。できるだけ早いうちに、子どもの生活スタイルに選択肢を作ってあげるということ。例えば、その子が好きなもの、サッカーが好きであれば「サッカークラブ入ってみる?」とか、「ピアノやりたかったのかな?」と言うと、「みんなが習ってて実は習いたかった」とか、「チャレンジ4 年生やってみる?」と聞くと、「本当は取ってほしかったんだけど、お金がないからできなかったけどやりたい」とか。やっても半年ぐらいで飽きて、みんな付録だけ見る。そのような、本人の希望を聞きながら、選択肢を幾つか用意して、子どもがそこでやることがたくさんある、要求が叶えられるような状態をつくっていっています。角張:共通して伺ったところで、やっぱり応援団が圧倒的に少ないのは、社会的養護を利用してる子どもたちであるという、田代先生のお言葉。それから、伊藤さんからの、里親も大事だけどその周りで支援してくれる人がいることが必要だということ。五十嵐さんからの、周囲に気付かれないで頑張ってる方がたくさんいる、そこに目を向けることの大事さと。あとは、里親自身も助けてくれる人を周りにたくさん用意することが必要なんだということ。やはり、社会にいる私たちが、見ようとする知ろうというところからまず第一歩を、ということが大事なんだと、あらためて感じました。皆さんも、今日、知る第一歩、さまざまなことを知ったと思います。ぜひ、それぞれの立場で、またいろいろ考えたり行動したりしていただけたらありがたいと思っております。University of NIIGATA PREFECTURE 34