ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

平成26年度新潟県立大学公開講座「新潟における食の風景」私が入ったときには私のライバルは岡村さんを含めていっぱいいたのですが、残念なことに若者がいなくなってライバルがいないので、私は自分の子どものライバルづくりを今一生懸命しなければだめだなということで、先日同じ南区に川瀬さんというかたが農業参入されてきている。今入っている人は、津南で観光農園をやりたいということで、しばらくの間研修をさせてくれということで、今スタッフとして働いていると。また上越でやりたい人も、今年の夏から入って、2 年間再来年の春までここで観光農園の研修をさせてくれということで、いま私の子どものライバルづくりをやっています。夏に来た学生も話を聞くと、先ほど朝カフェに出ている渡辺農園さんのところに来年研修して、話を聞いたら、岡村さんのところでも寄せて勉強させてもらえるような方も、同じ方ですけれども、そういう方がおられる。ライバルづくりをやっていかないと、産地が全滅してしまうのだろうなというところで、そこで頑張らせていただきたいと思っているところです。山中 アダムソン先生どうですか。今の2 人のお話を伺って。アダムソン そうですね。ほんとうにおもしろいですね。やはり農業に参加しない人たちはそういう気持ちがわからないですね。2 人の実際の経験と。家族の経験を聞いたのはおもしろいですね。山中 後継者は単独にそれぞれの農園では作れない、地域として作っていかないとまずいのではないか、というのがお2 人の話を聞いて私が感じたところです。では、時間の関係もあるので、次のテーマのビジネスモデルですね。このビジネスモデルについては、会場からいくつか質問が出ています。まず笠原さんの話の中にあった、まわりがやめていったとき、それを買い足して引き受けていくという、大型化というある意味で農家の利益をベースにそれをすすめていくということが、逆に小さな農家がそれによって難しくなっていくという危惧はないだろうか、という質問ですけれども。もう一つは、品種をいろいろ揃えて通年化していくという視点について、それが一つの魅力になると同時に、ある意味で一つ一つの品種の専門性というか専業化というか、それを磨くことが衰えてしまうのではないか、という危惧の質問があります。まず、そういったことの回答も含めて、笠原さんに、先ほど紹介いただいたような、今グレープガーデンで試みているビジネスモデルを、将来的にどんなふうに地域で展開していったらよろしいでしょうか、という観点で。笠原 大規模化ということでまわりの農家がやめるとご近所さんから土地が。たしかに購入というのは固定資産関係があがってくるので遠慮したいなというところですけれども、貸してくださったのをまた3 年後には買ってくれといったのは、やっぱり地域なので努力してやっていきたいなと思っています。私、今有限会社ということで会社を興しているのですけど、その前に地域農業ということで、自分の会社とプラスアルファ地域の法人団体、農家団体をつくっていきたいなと。それで他産業にいた若者を引っ張ってきて、葡萄作り等々農業の良さの話をしていったのですけれども、やはり他産業でもらう給料よりも、農家でやると給料が安くて生活ができなくなるということがあったり、お父さんお母さんが農業やっていたものに入ってくるわけですので、面積拡大しないといけなかったり、家族内ではやはりお金は取れないのでばたばたしてしまって他産業に戻ったりということで、私の地域を巻き込んだ大きい法人化はできなかった。販売も農協に今までは出荷してきたのが徐々に変わってきて、面積の少ない農家は機械化ができなかったりということで、人件費とか労力を引くと、実際葡萄を作っていてもマイナスになるような状況じゃないかなと。それがわかっているので、貸してくださるのは大規模化してきているのですけど。それにともなって果物が増えてくると、なかなか専門性も。葡萄作りは私もプライドがありますんで負けたくないなと。じゃあ苺だったらプロかといわれると、プロじゃありませんので。でも人より少し早くやっているので、いろんな情報をとって、苺の栽培のプロ化を目指している。葡萄という果物は世界で一番たくさん作られていますし、種類も3,000から4,000種類もあるといわれています。ほとんどがワイン葡萄ですけれど。葡萄という植物体が非常に複雑な果物でして、特に種のある巨峰関係をつくるとなると技術がいる。また見栄えのよいものをつくろうとすると、それ以上の技術がいると。それをクリアしたものが、ある程度応用編で他の梨、桃とか、ルレクチェをつくれるのはたぶん葡萄を作っていたからできるのだろうな、と私は思っています。山中 一つの品種の努力が、そのままそれを次の品種に循環していけるということですよね。University of NIIGATA PREFECTURE 30