平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 60/80

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平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」けないなと。もっとちゃんと案内して、話したいなあと思いました。つい最近の話なんですよ。わざわざ東京からね、新潟まで来てくれたのに。遠藤 ありがと....

平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」けないなと。もっとちゃんと案内して、話したいなあと思いました。つい最近の話なんですよ。わざわざ東京からね、新潟まで来てくれたのに。遠藤 ありがとうございました。このぐらいで、じゃあ、皆さんほんとにありがとうございました。最後に一言ずつ、皆さんへのメッセージも込めて、先生方、お願いします。旗野 じゃあ最後に、とにかく『阿賀に生きる』っていうのは新潟の宝物だと思ってます。水俣病をどうしたいのかっていうことから始まったんですけども、やっぱり、患者さんたちの生きざまそのものを見てほしい。もう、水俣の問題を越えてると思います。それの具体的な話を一つだけ。遠藤武さんは、舟大工で、もう舟作りやめてたんですけども、映画の中で奇跡的に作り方を体現してくださるんです。遠藤さんの家はアルミサッシなんか使ってない木造の昔ながらの窓ガラスなんです。で、隅が割れていたので一応大工の端くれだから、「遠藤さん、これ、吹雪入るから、入れ替えてやろうか?」って言ったら、「余計なことすんな」と。「これはちゃんと、朝顔咲くころになると、この窓からあいさつして、家の中で一輪咲いてくれるんだ。余計なことするな」って怒られたんです。え? そんな、?みたいなほんとの話と思ったんですが、実は本編のほうにも、ちゃんとカメラマンの小林茂さんが撮ってくれてます。ああやって舟作って、動けるようだけども、四肢感覚障害だから、骨が出るほどやけどしても、気付かないんです。救急車で運ばれて、危篤になる。そんな人が、1 年1 回の朝顔咲くのをめでるような気持ち、まさに今良寛さんみたいな人なんだなあっていうことを、あの映画はたまたま撮らせてもらえたことから言ってもすごく、宝物の映画じゃないかなっていうことを私の最後の話ということで。ありがとうございました。大熊 遠藤さん、最後、あなたが…遠藤 はい。さっき旗野さんが、水俣病の人たちのほんとの姿を映すべきじゃないかって、学生たちが『阿賀に生きる』の感想に書いてきたっていう話を、私は笑うことができなかったです。それは、私も、番組を作ろうと思って水俣病患者の皆さんの中に入っていくまで、そういう気持ちは少なからずあったと思いますし、だからこそ、知らないっていうのは、ほんっとに恥ずかしいことだし、怖いことだっていうのを実感しました。だから、私ほんとに、あの番組を作ろうと思わなかったら、どんな人間になってただろうと、うん。それまでの私っていうのは、今も、ろくなもんじゃないんですけど、もっとひどくて、人を肩書で見るまでいきませんけども、例えば大学教授で、こんなに柔らかい人がいるとは思わなかったです。大学教授っていうのは、「わしは」みたいな、そういう、踏ん反り返ってるような人ばっかりが大学教授だと思ってましたし、でも、人と相対することっていうのは、肩書とか、そういうことじゃなくて、水俣病の患者さんもそうです、水俣病の患者さんとして見るんじゃなくて、その人そのものから、入っていかなきゃいけないし、私もまた、1 人の遠藤麻理っていう人間として入っていかないと、決して受け入れられることっていうのはなかったと思うんですね、うん。そういう意味で、すごくいろんなことを教えて…大熊 遠藤さんが今の私はなかったって言ったけど、私もそうです。『阿賀に生きる』に関わって、私自身が随分改造されました。それは、亭主関白のひどい夫だったんですよ。やっぱ『阿賀に生きる』をやるようになって、今は洗濯もするし、お茶わんも洗うし、何でもするっていう、ハハハ。(一同笑い)大熊 『阿賀に生きる』に関わって、人間改造ができました。土木屋としても、ダムを平然と反対できるようになったし。ほんとにそういう意味では成長させてもらいました。ほんとに『阿賀に生きる』、ありがとうございました。遠藤 はい。ですから、今日は参治さんに会いたいって、そういう声が出たっていうのは、すごくうれしいことだったし、あのう、旗野さんも、忙しそうに見えて暇ですので…(一同笑い)遠藤 ぜひ、積極的に遊びに行って話を聞くと、何でも優しく教えてくれて、お酒も飲ませてくれますし、うん、大熊先生も一緒です。私も、もっと暇ですので、いつでも一緒に皆さんとお話をしたりしたいと思いますので、よろしくお願いします。本日は皆さん、お忙しい中、寒い中、どうもありがとうございました。大熊 どうもありがとうございました。(拍手)University of NIIGATA PREFECTURE 58