平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 59/80

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第3回公開講座 阿賀野川流域と『阿賀に生きる』を語るぐハンドマイクで、「ここが有名な…」と始まるんですよ。だから頼むから、それ、やめてくれって。私が立ち会うときには、とにかく、ちょっと待ってよ、あなた....

第3回公開講座 阿賀野川流域と『阿賀に生きる』を語るぐハンドマイクで、「ここが有名な…」と始まるんですよ。だから頼むから、それ、やめてくれって。私が立ち会うときには、とにかく、ちょっと待ってよ、あなた方は、環境問題で正しい行動だと思うかもしれんけど、経過を聞いてからにしてよ。やっとここに建てさせてもらったんだから。あなた方の都合で、正しいと思ってるかもしれないけど、村の人はまだ半分以上が迷惑だと思ってるんだから。その中でも、いろんな差別があるわけでしょ。その唯一の絆をこのお地蔵さんに託してるんだから、そんなことは…「ほら、旗野さんが言った通りだ。また水俣の運動のネタにしてる地蔵さんだけども、日曜日なのに朝から大きなバスで来て、スピーカーでなんか言って」なんて言われてるんですね。で、強引に土手へマイクロバス突っ込んで、壊したりとかね、それはほんとに気を付けなきゃなんない。なんで看板がないのか、高速道路から案内板出せとかですね、どんどん、そんなふうになっちゃって。お地蔵さん、やっぱり村の隅っこにこっそりあるべきだし、尋ねて行けばいいじゃないですかね、分からなかったら、というふうな気がしてます。大熊 うん、だけど、お地蔵さんに水掛けたいって人がいてね。この敷地の家に水もらいに行ったりして、これも迷惑なんですよね、その家にとったらね。その、水掛けたいっていう気持ちの人は、それをいいことだと思っているから、なかなか難しいんですね。だから今度は、横に井戸を掘らないといけない。ハハハハ。まあ、お地蔵さん一つ作っても、こういろんな問題がある。だけども、これでやっぱり僕は少なくとも500年は、この話をつなげられたなと思うんですよ。どうせ風化してきて、ボロボロになってくるだろうけども、この石しっかりしてるから、4~ 500年は、もつだろうというふうに私は思ってますけども。そうやって、この物語をきちんと伝えていくっていうことがやっぱり大事なのかなと思います。ただ、環境と人間のふれあい館は500年もたないな、ちょっと。ごめんね。遠藤 またこの、お地蔵さんが向き合ってるっていうエピソードがいいですよね。旗野 これもたまたまですけども、建ててから気付いたんですが、水俣に送った、百間の排水口の前、埋め立て地のところに建てたお地蔵さんは、その、排水口に向けて建てたんですね。そしたらそれは東のほう向いて、そのまんまたどると新潟のほう向いてるんですね。それで、阿賀のお地蔵さんは、川に向けた。それは西のほうで、ずうっとたどると水俣のほう向いてる。これって、お互いに見詰め合ってる兄弟地蔵って言えるんじゃない。なるほど、これでまた物語ができる。予測しないいい話が、ポロポロ出てくる。なんかこれって、やっぱりお地蔵さんのご利益っていうか、力なのかなあって。大熊 そろそろあと15分なんで、会場から何かご質問なり、こんなこと言いたいっていうのがあったらいただきましょう。遠藤 学生さんはどうでしょうか? そちら、どうですか? 旗野さんからも、若い人からの声が聞きたいという…学生 あの、今日、渡辺参治さんの話を聞いて、私もぜひ会ってみたいと思うんですけれども、どのような機会に会えますか?旗野 クリスマス近いから、クリスマスプレゼント代わりに、私、連れてってあげましょうか?学生 ほんとですか? お願いします。旗野 多分、参治さん喜ぶと思う。大熊 だから、なんか企画したら? 参治さんの話を聞く会とかなんか。学生 あ、じゃあ企画します、フフフフ。旗野 正直な話を聞かせてほしいんだけど、この前、東京で『阿賀に生きる』を授業に使ってくれた大学があって、みんなしっかり感想文書いてくれてるんだけど、その何人かがこれはやらせで、もっと普通に撮れば、水俣病らしい患者さんがいるはずなのに、演出でこういうふうにしてるんじゃないか。普通は水俣病ってのは、もっと悲惨で大変な患者さんがいるはずなのに、自分らで編集してこういうふうに、作ったんじゃないかとありました。小学校のときから四大公害裁判とか勉強してきたって。で、ずうっと自分らが勉強してきたのと、あまりにも違いすぎるって。それは映画がねじ曲げてるんじゃないかっていうふうな言い方。なんでテレビのニュースみたいに、普通にまとめることできないんだろうみたいな批判とか書いてあったんですよ。びっくり仰天で、でも、そういう見方もできるんだなと思って、目からうろこ。だからぜひ会って話してみたいなあと思ってたんですよね。私だって最初はそう思ってたけども、現実の患者さんから『阿賀に生きる』の世界を気づき始めたのに、だからちょっと怖かったし、びっくりしたし、そのままにしてちゃい57 University of NIIGATA PREFECTURE