ブックタイトル平成28年度公開講座記録集

ページ
35/40

このページは 平成28年度公開講座記録集 の電子ブックに掲載されている35ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

平成28年度公開講座記録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

平成28年度公開講座記録集

第2回 里親と子どもがつくる家族のかたち権で一時保護します。一時保護してから親御さんとお話をします。ただ強制的に保護するっていうだけではなくて、その後のフォローをしなければいけないというふうに思ってます。お話をします。虐待的環境にいると、脳にまで影響するよと、重篤な場合は死にますよと、それは子どもにとっても親御さんにとっても社会にとっても、重大なことで大きな損失ですよねということなどをお話させていただきます。その上で、家族と一緒に暮らせるのか、あるいは家族と暮らせない場合もあります。家族と暮らせない場合は、施設なり里親さんなりで生活をしてもらわなければいけない。児相の一時保護所でずっと生活するわけにいきませんので。そういうときは、親御さんにいかがでしょうかというお話をさせていただきます。分かりましたと言えばすんなりいきますけども、反対と言った場合は、児童相談所は家庭裁判所に、親御さんが反対ですと言ってるんですけどもおうちに帰すとまた子どもの安全・安心が脅かされますので私どもとしてはおうちには帰せません、これを審判してくださいということで、家庭裁判所にジャッジをしてもらう。家庭裁判所で児童相談所の言うことはもっともだということになれば、親権者が反対と言っても、里親さんとか施設で暮らしていただくということになります。そういうことを繰り返しながら、つまり、行政的な権限を介入的に使ってでも、子どもの安心・安全を守る。その中で、親御さんとも並行してお話をさせていただき、これからどういうふうに生活していったらいいのかということを一緒に考えさせていただく。縮めて言うと、介入的ソーシャルワークって、そのようなことでやってます。参加者C:田代所長に。子どもにより良い家庭をマッチングするためにも、里親に登録している方が増えるというのはすごく大切なことだと思うんですが、里親制度や社会的養護についてもっとたくさんの人に認知してもらうために、保育園や幼稚園にこんなことをしてほしい。実際に、児童相談所と共同してこんなことを今しているというのがあったら、教えていただきたいです。田代:私なんかいっぱいお願いし過ぎてどれから順に言っていいか分からないんですけど、まず、基本的なベースの話をすると、社会的養護という言葉は虐待を受けた子どもさんたちのことであるというようなイメージが多分あると思います。それから、その対極に子育て支援という言葉があって、子育て支援は、先ほど五十嵐さんが言ったように、障害のあるお子さんの支援もあれば、保育園、幼稚園っていう子育て支援サービスがある。別物かっていうと私は別物ではないと思っています。連続しているものだと思っています。自閉症スペクトラムという言い方がありますよね。自閉症っていうのは、ここからここまでが自閉症で、ここからここまでが自閉症じゃないっていう話じゃなくて、続いてるものだというふうに理解されていると思います。それで、幼稚園、保育園では、親御さんの暮らしぶりであったり子どもの家での様子は、やっぱり見ようとしないとなかなか見えないところがあるので、そのようなことを忙しい中でも親御さんと話をする機会を持つとか、子どもの例えば金曜日と月曜日の違いはどうかとか。あるいはもっと言えば、あざはあるのかとか、発達障害っぽい感じのお子さんであるのかどうかとか、そういうところも含めて見ていただき、それを保育園や幼稚園だけにとどめるのではなくて、心配なことがあったら、市町村の窓口、児童相談所、各市町村の要対協(要保護児童対策地域協議会)、そういった所に、1 人であるいは一機関で抱え込まないでみんなで考えていく、知恵を借りるといったことを心がけていただくと、ありがたいなと思います。私も保育園から子どもを一時保護したことがあります。そのときには、保育園は中立な立場で、親御さんとも等距離、児童相談所とも等距離で、こんなふうにやってくださいということでお願いして、もらったこともあります。そういう意味では、親御さんとの関係も大事なんだけども、子どもを中心にして見るということが、何と言っても大事なんだろうなと思います。33 University of NIIGATA PREFECTURE