ブックタイトル平成28年度公開講座記録集

ページ
24/40

このページは 平成28年度公開講座記録集 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

平成28年度公開講座記録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

平成28年度公開講座記録集

平成28年度 新潟県立大学 公開講座 新しいつながりのかたちを求めて【話題提供】新潟県里親会中央支部支部長伊藤 信広 氏里親をしています、伊藤信広と申します。里親というものは、委託された子どもへの配慮等考えて、あまり人前に出るということがありません。皆さんも里親やってるという方が近くにいるっていう方おられますか。(数人挙手)というように、あまり認知されてないのもありますけども、子どものことを考えて人前に出ることがあまりありません。そのため、このような形で里親について話すという機会もほとんどありません。ですから、私もこういう所でこういう話をするのは初めてです。子どものことを考えてお話をできない部分というのも当然ございます。ですので、途中うまくもしかしたら伝わらない部分があるかもしれませんし、ちょっと分からないなっていう部分が、もしかしたらあるかもしれませんけども、その点については、どうぞ皆さん大きい心で聞いていただければありがたいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。先ほども、田代所長の話で出てまいりましたが、里親は、対象となる子どもの状況であったり里親の希望によって大きく4 種類に分類されます。簡単に説明すると、一つ目は養子。つまり、自分たちの実子として子どもを迎え入れる養子縁組里親。二つ目は、さまざまな理由で実親と暮らせない子どもが、親元に帰れるようになるまでまたは社会人として自立するまでの一定期間委託を受けて養育をする、養育里親。三つ目は虐待児や問題行動のある子ども、身体的・知的な障害のある子どもといった子どもを、専門的な知識を持って受け入れて養育をする専門里親。そして四つ目は、何らかの事情によって家庭生活が困難になった親族の子どもを受け入れて養育する親族里親。私はそのうちの養育里親というものをしております。私が里親になったきっかけというのが、私の親がもともと里親をしておりまして、私自身もその親が委託を受けた子ども、いわゆる里子ですね、里子とともに生活をしていくうちに、自分もいつかこういう子たちを委託を受けて育てたいなというようなことを思ったことと、全くのこれは偶然、結婚するときに初めて知ったんですけども、私の妻の実家も里親をしておりました。そういうことで、里親のことを夫婦で話す機会というのも自然にできてきて、じゃあしようかというようなことが大きな理由になります。私が里親になったのは、平成22年です。平成22年に里親登録をしてから今日まで、一時的な委託を含めて5 人の子どもを預かりました。先日までも、生後3 カ月の乳児をお世話しておりました。その他にも、先ほども言ったように、私の親が里親、専門里親をやっておりまして私は多くの子どもといろんな場面で生活をしておりましたので、今日は、その中で経験したこと、また感じたことをお話ししたいと思います。まず、1 人目ですけども。彼がうちに来たのは、中学校1 年生のときでした。学校にずっと行っていない子どもがいるということで、民生委員と市の職員がその家に行ったところ、ごみが散乱した部屋の中で発見されたそうです。発見当初は、やせ細って青白くて、髪は伸びっぱなしのぼさぼさで、半分痛んでるようなものをあさって食べて、何とか命をつないでいるという状態だったそうでございます。彼は、母親と2 人暮らしだったのですが、その母親が精神的な病気になりまして、そのために、まともな生活、育児ができないというような状態に陥ったために起こった、いわゆるネグレクト、育児放棄された状態でした。彼はそのまま緊急で保護されまして、その後児童相談所の判断で我が家にやってまいりました。我が家に来てからは、数年間、育った環境が多分大きく影響していたと思いますが、感情が乏しくて意思表示ができない。会話といっても、私たちが投げ掛けた質問を何とか、はいかいいえで返すという程度のことしかできない子でした。ですから、学校で、例えば皆さんもあるかと思いますけども、小学校のときとか中学校のときとか、授業で作文とか感想文とかありますね。この作文とUniversity of NIIGATA PREFECTURE 22