ブックタイトル平成28年度公開講座記録集

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平成28年度公開講座記録集

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平成28年度公開講座記録集

第2回 里親と子どもがつくる家族のかたちについては、まだ結論も出ていないので、23年をピックアップしてきました。社会的養護は、保護者のいない児童や保護者に養護させることが適切でない児童を、公的責任で社会的に養育し保護すると同時に、養育に大きな困難を抱えている家庭への支援を行います。それは、子どもの最善の利益で、社会全体で子どもを育てるということです。日本のことわざで「子どもは国の宝」とよくいうように、これからの国や社会を背負って立つ宝物として育てていこうよということです。社会的養護は、三つの機能を持っています。一つ目は、ちゃんと育てる~養育する機能だということですね。二つ目は、仮に虐待によって発達の歪みなど色々なものがあれば、それをしっかりケアしていきましょうということです。そして三つ目は、親子関係の調整や家族の再統合、あるいは地域における子育て支援など色々なことをきちんと、この地域で支援していきましょう、という機能を持っているということですね。それが三つの機能だと言われています。それでは具体的にどのようにするのかというと、平成23年当時は、9 割が乳児院や児童養護施設で子どもさんが生活して、1 割が里親さんです。その現状を、大体3 分の1 位が里親さんで、3 分の1位がグループホーム、残り3 分の1 の本体施設でその施設は、全て小規模ケアにしましょう。大規模施設では、100人定員や150人定員があります。そういう所では幾つかのグループに分かれていますが、なかなか家庭での生活のようにはいかない、そういう現状を3 分の1 ずつにしましょうということです。それで、全ての施設、今ある施設、大体、日本では600くらいの施設がありますが、全ての施設を変革していきましょうということですね。社会的養護を巡る最近の動きでは、児童福祉法が改正されてから、検討会で社会的養護のあり方を全面的に見直そうと、今、揉んでいるところです。興味がある方は、少し調べてみてください。●里親制度の概要それでは、いったい現状は里親さんも含めてどうなっているのかということでは、全国で、乳児院は133、児童養護施設は608あります。里親さんは9,900、約1 万世帯くらいということですね。そこに約4,700名くらいのお子さんが暮らしていて、県内では約240世帯の里親さんがいて、120名くらいのお子さんが生活しています。全国の施設入所児童の調査が厚生労働省で5 年に1 回、行われています。そこで被虐待経験があるお子さんがどのくらいいるか、里親さんの所で暮らしているお子さんが3 割ほど、児童養護施設は6 割くらいです。障害ありという中の大部分は発達障害や、軽度の知的障害です。里親制度は、簡単に言ってしまうと児童福祉法に基づく子どものための制度です。もちろん、里親さんになる方の動機は色々あります。養子縁組ということで、自分に子どもがいないので、里親さんで子どもを育ててみたいという方もいれば、自分の親族で親御さんが亡くなられて、その親族を自分が育てるという方もいます。色々あってよいのです。色々あって良いのですが、里親制度というのは、くり返しますが児童福祉法に基づく子どものための制度です。その制度については一応スライドと資料にまとめてあるので、(時間の関係で)申し訳ないですが、後で勉強したい人は勉強してみてください。里親さんたちは、昭和30年代だったと思いますが、里親信条というものを作りました。さすがにそれは少し古いので、平成26年に改訂をしました。基本的な理念を「私たち里親は、保護者の養育が困難な子どもを家庭に迎え入れるとともに、寄り添った養育を行います」と掲げています。子どもの権利擁護ということで、「私たち里親は、子どもの権利を擁護し、最善の利益に配慮した養育に努めます」と、社会的養護の役割の一翼を担う者として、地域社会のつながりを大切にして養育をします。子どもの発達にもちゃんと目配り、気配りします。「家庭養育の良さを生かして、一人一人の子どもに合った養育をします」。併せて「私たち里親は、自分の家庭を整えて、子どもの養育に必要な知識と技術の向上に努めます」という構成で、里親信条ができています。ここに、里親とは何ぞやというのは語り尽くされていると、私は思っています。本当に、新潟県の里親さんは熱い人が一杯いて、優秀な方ももちろんいますし、私は本当に頼りにしています。もっと、皆さんに知ってほしいし、里親さんにもっと多くの人になっていただくと有り難いと思っています。里親さんは、一応4 類型ということで、養育里親、専門里親、親族里親、それから養子縁組の里親さんと色々あって、それぞれの機能や特色を生かしていただければよいと思います。一方で、里親さんに誰でもなれるかといったらなれない人もいます。19 University of NIIGATA PREFECTURE