ブックタイトル平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

第1回公開講座 酒と食で新潟と世界を繋ぐ会場からの質問(問) 好きな日本料理は何ですか?将来帰国したときに、日本や新潟を懐かしむと思う料理は?ジェンキンス:ラーメン、特に豚骨ラーメン。(デュケット注?ヨーロッパでもラーメンは人気。三条のラーメン店も近くドイツに出店予定)イギリスに帰ると、刺し身や寿司が高価なのでなかなか普段手にできないのが不満。スタイバーズ・ベンダー:自分にとってはお米。知人から「魚沼のお米を食べたら、もうここのご飯しか食べられなくなる」と言われたが、確かにそうだった。大好きな寿司を京都で食べたが、新潟のお米じゃないので違和感があった。また親子丼やへぎそばも大好き。アメリカでも魚だったので、お刺し身や、特に青魚、サンマの塩焼きなどもすごく好き。ジェンキンス:イギリスでコメは、本当に付け合わせの感覚。炊き方も沸騰した塩水で茹でるだけ。種類も少ない。来日して、食べるお米もあり、酒米もあり、食べる米にもこしいぶきがあり、コシヒカリがあり、バラエティーがあるのにびっくりした。(問) 食の安全や自然栽培などについて、NSLの活動のなかで何かやっていますか?デュケット:コメ造りは、除草薬を1 回軽くまくだけでやっています。来年は自然栽培に切り替えていければと考えています。協力いただいている組合さんが自然栽培に力を入れていて、有機肥料を使用するなど、県と協力しながら取り組んでいます。(問) 海外にお土産として安全に持って行けるように、新潟の酒蔵さんなどで、持ちやすく見た目ももっといいパッケージを工夫しているところはありませんか?デュケット:スマートパウチや缶に入れて販売しているところはあります。例えばパック酒というものが出ていますが、韓国に輸入されている新潟清酒は、8 ?9 割がパック酒だそうです。しかしにおいや品質や遮光の問題から、純米酒や大吟醸酒といったお酒には紙など瓶とは別のものを使うのは難しいようです。瓶の美しさにも酒蔵さんは力を入れている。良い物というイメージのためにはむしろ瓶が良いのではと個人的には思います。(問) 新潟や日本の文化を広める活動をされていくうえで感じたことは?デュケット:NSLの活動で、自分が動けば周りが動いてくれることを実感した。最初は10人程度で始めた会だったが、自分たちが一生懸命真面目に動けば動くほど、酒蔵さんなどが共鳴して動いてくれた。そういった繋がりは自分でつくっていけるものであり、最終的には人だなと学んだ。また日本酒の業界や制度の難しいところを感じている。例えば酒税法などでは、一般の消費者には分かりにくい名称が使われている。そして、江戸や明治期から引き継がれている感覚や習わしが今も続いている。酒蔵では60?70歳代の方も元気に働いていらっしゃるが、「お国の税金を作るための仕事をしている」、「地元の人たちが飲んでくれればそれでいい」という意識の方も少なくない。その感覚が、新しいことを始めることへの抵抗感となっている部分はあるようだ。他方でどんどん新しいことに挑戦されるところもある。玉川堂の玉川社長から、「伝統と伝承」、「伝統とは革新の連続である」という言葉をお聞きしました。日本酒文化もまた同じではないかと思います。守らねばならないもの、そして変わっていかなければならないもの、そういった事のバランスを考えていくのは、これからの日本酒文化をどう後世に繋いでいけるかの大きな鍵になるのではないかと思う。(了)7 University of NIIGATA PREFECTURE