ブックタイトル平成27年度公開講座記録集

ページ
6/30

このページは 平成27年度公開講座記録集 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

平成27年度公開講座記録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

平成27年度公開講座記録集

平成27年度新潟県立大学公開講座「分かち合おう!新潟の魅力」●Niigata SAKE Loversの設立新潟についてきちんと説明できるようになりたいという思い、新潟で海外のお客さまをお迎えする際に通訳としてきちんと正しい情報を伝えなければならないという思い、そうした様々な思いから、子育てが一段落した時に利酒師の資格に向けて勉強を始めました。そうしたときに新潟県の中学と小学校でALT(外国語指導助手)として勤める(現在はNSL副代表の)カナダ人に会いました。ALTの彼らは日本の文化にとても興味があるものの、日本語が堪能でない方も結構います。あるいは地元の人と知り合う機会がなく、日本文化に触れることがないという話を聞きました。ならばみんなで始めてみようと2013年に思い立ち、Facebookというインターネット上のソーシャルネットワークサービスを利用して、新潟のお酒について勉強する会「Niigata SAKE Lovers」を立ちあげ、それに賛同して集まった10人で活動を始めたのです。言葉の垣根を越えて、新潟の地酒とそれにまつわる文化を一緒に勉強し愛でていく、体験して自分のものにしていくという趣旨を掲げました。外国人のメンバーがNSLの活動を体験し、自分の国に帰って新潟での楽しい経験を話してくれます。それを聞いた海外の人たちが、自分も日本に行ったときに新潟に行ってみようと思うことがあるでしょう。日本を訪問する外国人観光客は増えていますが、大抵の人は新潟空港から入国しても、そのまま新潟を通り越して東京に行ってしまう。彼らにいかに新潟に寄ってもらうかがいま課題になっています。NSLの活動がそうしたきっかけになればよいと思います。●日本酒と食の魅力を再発見NSLの日本人メンバーは、自分たちにとって当たり前だと思っていたものが、海外の人にとってはそうでないこと、そして自分たちの文化が素晴らしいものなんだと実感できたといいます。日本酒は熱燗にしても冷やにしてもそのまま飲むのが大体の日本人の感覚でしょう。でも今はもっと受け入れやすくするために、酒蔵さんもいろいろな取り組みをしています。その中で評判がいいのは、炭酸水とレモンスライスで日本酒を割る飲み方です。飲みやすく、いろいろなお料理にも合わせやすくなります。お酒の性格もしっかり出ます。日本酒にそれだけの味や力があるというのを再認識したと話してくれた杜氏さんもいました。日本酒は和食だけでなく、実はスイーツにも合います。近年では広島酵母などを使い、洋ナシの香りがするものなど白ワインに近い香り豊かなお酒がでてきています。日本の食文化が多様になってきているなかで、お酒の種類も多様です。であれば「日本酒イコールお刺身」という固定観念から自由になり、それぞれの料理に合わせて飲むお酒を選ぶ方がいいであろう、といろいろな楽しみ方を模索する活動も行っています。日本酒だけでなく、味噌も関川村の農家さんから教えてもらい、自分たちで麹から造っています。今年3 年目ですが、笹川流れのお塩と無農薬の大豆、関川村の湧き水でお米を蒸し大豆も炊いて、自分たちで味噌造りを行っています。こうした活動を日本人外国人みんなでやることで、日本人ですら忘れていた味噌造りを通じて発酵というものを一緒に学べることがとても楽しいのです。こうした勉強を積み重ねていたところ、「越の誉」で有名な原酒造さんから実際に酒造りをしてみないかとお誘いをいただきました。この蔵で独自に開発した酒造好適米を、外国人・日本人総勢30名超が一緒に手で植え、稲刈りもし、酵母を選び、麹を造り、さらに仕込み、搾りまで一連の工程をすべて一緒に体験させていただきました。これは新潟日報やBSNのニュース特集でも取り上げられました。そして出来上がったお酒を製品化して酒の陣でも販売しました。パッケージデザインは地域と異文化、そして日本の文化を一つにまとめるという趣旨で、職人さんに作ってもらった水引を採用しました。お酒の名前は世界と日本を繋ぐ、新潟と世界を繋ぐという意味を込めて、「繋ぐ」としました。おかげさまで限定300本が2 週間で売り切れてしまうほどでした。今年は上越の「潟舟」で有名な竹田酒造店さんでUniversity of NIIGATA PREFECTURE 4