ブックタイトル平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

第2回公開講座 伝統の技術が拓く世界への道をお話しできるわけではないと思うが、その他に、文化が違うからこそ伝わらないというような難しい部分など。玉川:自分が海外経験した中で、それは全くない。物を見る人が見ればちゃんと伝わる。最終的に、日本の技術、日本の文化をそのまま伝えることが、特に今の日本の伝統工芸や地場産業において大事だと思う。海外の文化に合わせて商品構成を変えるというのは、逆に海外の人に認めてもらえない原因になってしまう。なるべく、商社を介さない方向でできればいいと思っている。介することによって伝え方が変わってくるので。一番いいのは、自分たちで、外国人に対して伝えていくということ。そのためのシステム作りというのは、行政を交えてやっていけると思う。─以下会場からA:最初のお話で、鉄は伸ばすけども、銅はたたいて縮めるとおっしゃった。やっぱり、銅も伸ばすこともあると思うがどうか。玉川:伸ばす部分はあるけれど、縮めていかないと立体には向かない。一部は伸ばすが、たたくと一旦伸びるので、それはしわになる。しわを重ねないように打っていくと立体になっていく。それはまた縮めるという工程になる。これはなかなか現場でないと説明しづらい部分がありますので、ぜひこの機会に工場見学に。B:玉川堂さんの品物を、初めて知ったのは40年近く前。2 、3 年は使ったが、子どもが生まれた時、痛むからと箱に入れてそのままでもう35年くらい。使わなければ文化にならないとの話があったが、桐の箱には入っているけれど開けてみるのも怖い。表面の色は変わらないがこういう銅器はどんなものか。お話を聞いたら、出してもっと使おうと思う。玉川:から拭きをすると、色がどんどん良くなる。仮に、さびが出ている場合は着色の仕上げ直しはできるが、基本的にから拭きは大事。まだ赤ちゃんの状態で、赤ちゃんを眠らせているのは我々にとっては本意ではない。ぜひ使っていただきたい。C:一部でキャラクターとかを使って売り出しているメーカーもあるがそういう商業展開に対して、どう思うか。玉川:端的に申すと、良くはない。やっぱり、自分たちのアイデアで、自分たちのブランドで、自分たちがやっていくのが一番いいと思う。キャラクターを使って作るのは、確かに一時期はいいかもしれない。けれど、相当なロイヤルティーを払う。それで売れればいいというのではなく、自分たちの考え方で、技術で、将来設計を持ってやっていかないと、なかなか難しいと思う。D:山田室長さんに質問。若い方にとっては燕三条という言葉はすんなり入ると思う。しかしながら、過去には新幹線も高速道路の時も大もめにもめた地域でもあり、それを地場産センターという組織を核にしながら、行政の垣根を超えて、こういった形で持っていったのは成功例でもあると思う。それだけに、今までにかけられたご苦労や最初の企画についてうかがいたい。また、こういった取り組みが進んでいくことによって、地域的人口は増えているのかという部分についても。山田:立ち上げの苦労はこれだけ大勢の方の前で言えないことのほうが多いのですが、確執がなくなるかと言ったら、おそらく簡単にはなくならない。ただ、この地域は、燕三条ということで認知されているので外向きな発信は、とくに燕三条でやりましょうというところ。それはやはり、何かしないと、少なくとも燕三条としてのアイデンティティーを守りきれない、それが地域の衰退につながる。何かしない限りは地域が発展していかないだろうということが、まさに燕三条ブランドをやりましょう、地域ブランドとしての「燕三条」をやりましょうということの発端。今、人口という話もあり、それもまさしく地域振興の一つ。まずは「工場の祭典」などをはじめとする交流人口で認知していただくのが始まり。そこから始まって、今度行ってみようかなという気持ちになる方がいて、今度通おうかな、そしたら今度住もうかな…まではなかなかいかないとは思23 University of NIIGATA PREFECTURE