ブックタイトル平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

平成27年度新潟県立大学公開講座「分かち合おう!新潟の魅力」れます。今年も第3 回が10月1 日から4 日までで終わり、68工場が参加いたしまして、お見えになられたお客さまは延べ約1 万9,300人でした。いわゆるオープンファクトリーというものでして、格好いい鍛冶屋のお兄さんが鉈(なた)を作っている工程を、説明されている写真だけでは熱とか振動とかが伝わりませんけれど、現場で実際に見ていただくと、かなりな迫力です。火花も結構、危ないくらいの距離で飛んで来ます。水を付けたハンマーで熱した鉄を叩くと、ああいうふうに火花が飛ぶのですが、お客さまをびっくりさせるのに、大勢お客さまがいると多めに火花が飛ぶというパフォーマンスになっております。この「工場の祭典」、目印はピンクのストライプです。あとは参加工場が分かりやすいように、ダンボールを会社の入り口に積んでいます。来年また10月6 日から9 日くらいで開催になるはずですので、ぜひお越しをいただければと思います。その時には、燕三条駅Wingも店頭の上の部分がピンクのストライプになり、「工場の祭典」仕様の「燕三条Wing」になります。●海外への発信この「燕三条 工場の祭典」は、発信力が高くて、イタリア・ミラノの「ミラノサローネ」という、世界規模のデザイン系の祭典と言われているイベントに2014年の4 月に招待されました。「工場の祭典」が一つのコーナーを構え、世界に向けてのイベントとしての発信をいたしました。このほか、燕三条ブランドとして、海外への展開ということでやっていますのが、海外展示会への出展です。海外に向けては、「風土だ、空気だ、職人魂だ」と言っても、物を媒介しないと伝えにくいものでもありますので、海外展示会にはカタログ風のパンフレットを持って出展をしています。物を通じて伝えることも大事ですし、現地に燕三条地場産業振興センターの職員を派遣し、通訳さんをお願いして商談をする場面も、あります。また、昨年はポール・ボキューズさんが主催されている「ボキューズ・ドール」というフランス料理界で世界最高峰とされる料理コンクールで、日本代表シェフが使われるカトラリーなど道具の一部を私ども燕三条でやってくれないかというオファーをいただきました。玉川堂さんはじめとする皆さんのご協力を得て、これらの道具を一通り私どもで揃えるなど、燕三条全体でバックアップをさせていただきました。見ていただいて分かるとおり、和の文化をベースにしながら、フランス料理というものに合わせております。物の使い方や、作り方や見せ方というのは、日本の文化にあるそのものを本当に見せるものもあれば、それを応用して向こうの文化に合わせたものづくりを見せるものもある、というところでしょうか。それも、背景には高い技術力と、職人の思いがあるというところかと思います。また、今年は、ミラノでの国際博覧会の日本館いわゆる日本パビリオンのイベント会場を使わせていただく機会を得まして、3 日間でしたが、9 月にミラノでイベントを行って来ました。日本館はすごい人気で、最大6 時間を超える待ち時間があったと聞いていますし、余談ですがスタッフは準備で2 晩ぐらい現場に泊まりましたと言って泣いていました。包丁を研いで見せている場面では、切れ味も味のうちということですね。また、この写真の皆さんが手に持っているのは、鎚起のプレートです。玉川社長の弟さんに指導者として、現地に行っていただいてワークショップで皆さんにその場で鎚起のプレートを作っていただきました。このような鎚起の体験とか包丁研ぎの体験などを通じて、本当に燕三条のものづくりというものが伝わったのだろうと思いますし、少なくとも、ここで笑顔を見せている皆さんには、燕三条が少し印象付けられたのではないかなと思っています。燕三条では、伝統的な工芸品というか製品として、こうした打ち刃物ですとか鎚起の銅器といったものを作る技術があり、こうしたベースになる技術と、その力を生かしていきながら、物を通じて訴えかけるというような取組をしております。●燕三条の伝統と革新今は、物を買って使うというだけではなくて、製造の工程を見ていただいたり、職人と語ったりしながら、その物にも愛着を持っていただけるような形となるような対応を進めていきたいと思っています。また、燕三条は脈々と築き上げた伝統の技をベースに、革新を続けていると言ってもいいのではないかと思います。従前からお客様を呼び込む色々な取組はしてきましたけれど、今では国内のみならず世界から「工場の祭典」を初めとして、ものづくりを目的にお見えになる方が大勢いらっしゃいまUniversity of NIIGATA PREFECTURE 12