ブックタイトル平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

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平成27年度公開講座記録集

第2回公開講座 伝統の技術が拓く世界への道では火焔型の土器が出土していますし、背脂ラーメンや、五十嵐川・信濃川が運んだ堆積土、沖積平野である大地が生んだ非常に優良な農産物も、その背景にあります。ノーベル賞の晩餐会で使われているカトラリーも、燕の会社が作っているものです。あの食器を使って、地場産センターのレストランで、お食事をしていただくコースもございます。玉川堂さんにも足を運んでいただけると、営業時間中であれば予約もなしで製品制作の様子を見ていただけます。ニッパー型の爪切りを作っている諏訪田製作所さんの工場や、磨き屋一番館という、磨き職人を育成・支援する施設もあります。90歳のおばあちゃんがヤスリを作っている柄沢ヤスリさんや、スプーンを作っている所もあります。●地域からの発信こうしたものを背景に、国の内外に向けて「燕三条はものづくりのまちです」という形で、「良いものをちゃんと真面目に作っています」という、イメージのPRに取り組んでいます。燕三条ブランドは物のブランドではなくて、その地域を発信するためのシンボルとしての位置づけになっておりまして、幾つかコンテンツがあり、大きな役割をはたす施設は「燕三条Wing」という燕三条駅にある物産センターです。品数が少ないというご批判もありますが、燕三条らしい品質の良い品物をそろえたショップになっており、お土産やプレゼントに買い物をしようかというお客さまや、地元のお客さまにも訪れていただいておりますし、月に一度、必ず何かものづくり体験のイベントも開催しています。また、去年こちらの公開講座で岡村さんがお話をされましたけれども、燕三条「畑の朝カフェ」も、燕三条のものづくりをPRするイベントの一つです。原動力は農家が、自分の畑があまりにも気持ちがいいので発信をしたいというところで考えられたもので、使っている道具やカトラリーも含めてなるべく燕三条のものをという形で、皆さんに体験していただいております。ちなみに、ブドウの形は自然に逆三角形になるのではなくて、摘果が必要になりますので、逆三角形のブドウの房の形を作る体験や、ブドウの袋掛けや収穫も体験していただいています。自分で作った箸でお食事をしていただくようなこともさせていただいており、囲い込みと言いますか、ファン作りに努めています。ものづくりに出会う「まちあるき」でも、毎年、春と秋に小さいツアーを作って皆さんに歩いていただき、ガイドがまちを案内するという取組をしています。工場見学のようなツアーは、何よりもこういうものをお客さまに見てもらいたいと言う人がナビゲーターを務めて、自分の思い(こんなところが大好きなんです、私)みたいなものをお客さまにお話するものです。「まちあるき」のコースでは鍛冶屋さんのような小さな工場を巡るものが多くて、キャパシティーは限られますけれど、作り手と使い手が非常に近い距離でお話ができるというところが、魅力の一つです。●産業観光産業観光という括りでよく言われているものでは、基本的には企業さんの努力でしていただいているもので、予約なしでガラス越しに、ものを作っている工程を見ていただけるような取組をしている企業が数多くあります。特に、高価な商品は、プロセスも開示することで、価格の裏付けみたいなものも理解していただけると思いますし、何より、自分が使う道具がどういう形で作られているかを見ると、お客さまには納得していただけるようです。先ほどの諏訪田製作所さんでは、ガラス越しに殆どの工程を見ていただけます。玉川社長の会社の工房では、「1 枚の板がやかんに化けるまで」を見ていただけます。「三条鍛冶道場」は見学をするというより、ご自身で体験をしていただける施設です。今の洋釘が入ってくるまで日本で使われていた、和釘を作る体験をしていただけます。式年遷宮で使われている和釘は全部、三条で作っていまして、その和釘をつくっている先生役の皆さんから、和釘づくりを教わることができます。外国からの燕三条ツアーを作っていただきたくて、私どもがお招きした外国の旅行会社のスタッフさんにも、ここで体験をしていただきました。●燕三条 工場(こうば)の祭典今年で3 年目になりました「燕三条 工場の祭典」というイベントもあります。これは、毎年だいたい10月第一土・日曜日を含めた4 日間で開催しており、両市内の工場が、お客さまを受け入れるというイベントです。「鍛冶道場」は、先ほど申したように、もともと受け入れを想定した施設ですけれど、こちらは、それぞれの工場がお客さまを受け入11 University of NIIGATA PREFECTURE