ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

平成26年度新潟県立大学公開講座「新潟における食の風景」オードブルや単品料理の注文受付、多様な料理の要望に対応しています。こうじゃなきゃならないというものはなく、どんなものでも大丈夫だよといって、頑張って作っております。ほかに、コシヒカリおにぎりの販売や、町内外でのイベント、惣菜販売として出店しています。また、精進料理教室の開催など、できることはすべて手がけています。「精進料理」といいますと、津南町だと、もう30年ほど前までは各自自分の家や集落の公民館等で葬式をしていましたので、みんなで材料を持ち寄ったり、作ったりしていましたものですが、それもすでに途絶えております。ですから、現在70代後半の人たちはその経験があるんですが、私たちの時代ではもうその経験もないんです。そこで精進料理の講師は、農家レストラン近くの80代の方にお願いしました。しっかり出汁をとり、味付けをし、木製の漆塗りの器に盛って、漆塗りのお膳で食べると、すごく厳粛な気分でよいものです。この「精進料理教室」は、1 回の開催予定でしたが、定員が2 倍近くになり、2 回実施しました。私たちは、60代が主なメンバーですから、このようにいろいろな経験値とアイデアや意見を出し合って、そのことを生きがいのように楽しみながら毎日やっています。●「課題」そして「目標と夢」ただ、そんななか、課題も様々あります。経営のこと、特に労力や手間に応じた人件費の支給ができないこと。旧農協の支所の建物を借りてレストランを開いているので、間取りの融通がききません。また、位置的にも、メインの国道117号線から少し入った奥信越秋山郷入口の405号線の道沿いにあり、見つけにくいのもあります。経理事務の取りまとめも、みな自分たちでやっております。また、用いている素材の情報を伝え切れていないということ。情報発信はもとより、そこに行く前の段階、事業展開のとりまとめなども行うゆとりもなく、メンバーでその都度やりくりしているといった状態です。それから、このことが一番足元の大切なことですが、継承していくこと、それが課題であります。そうしながらも、なんとか今日までやって来ています。今日もお店は、ほかのメンバーが切り盛りしてくれています。そうしてやっていたところ、お客様から思わぬことを沢山教えていただきました。私たちのレストランは、県境ということもあって、県内はもちろんですが、関西、北陸、関東方面などからいろいろの職業の方がいらっしゃいます。そんなお客様からいただいた言葉をご紹介させていただきます。お弁当を町内の何人かから買っていただいているんですけども、その方があるときいわれたんですね。半年くらい経ったときでしょうか「血液検査の値が良くなった」、そのうちにまた「髪の毛が、生え際が黒くなってきた、髪の毛が変わってきた」といわれたんですね。まさかそんなことありえないと思ったんですけども、なにげなしに、ほかのお客様に話しましたところ、「人の身体は食べ物で決まるんだよ、あり得ることじゃないかな。身体のストレスが少なくなったのではないんじゃないかな。それだけ毎日の食事が大事だね」と言われました。別の方からも、「野菜には、食べた物の余分な塩分やたんぱく質のゴミを外に出してくれる働きがあるんだよ」、「野菜料理は手間がかかり、とても大変なことだけど、大切なものだ」。そして精進料理を地元食材を中心に作られたメニュー精進料理 一つの膳にまとめたものUniversity of NIIGATA PREFECTURE 42