ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

Foodscape2014年11月23日、新潟県立大学は地域連携センターの活動として、南区に新規にオープンした公共研究施設アグリパークにおいて公開講座を開催した。我々の人気講座となった「Foodscape」をテーマとした今年度第二回目は、アグリパークの坪川藤夫氏、白根グレープガーデンの笠原節夫氏、岡村グレープガーデンの岡村直道氏をお迎えした。公営・私営それぞれの部門の3 名のスペシャリストから、ご自身の見識や地域におけるリーダーシップ等についてお話しいただいた。準備段階から、我々は3 氏の職場を訪問し、地域連携センターの「Foodscape」というテーマと3 氏の活動をどのように結びつけるかについて議論を重ねた。最終的に、農業の「持続性」につながる次の3 つのテーマについてのプレゼンテーション及びパネルディスカッションにフォーカスしたイベントにすることとした。1 .「高齢化社会における次世代農業者及び個人農業ビジネスの継承者」、2 .「新潟における個人果樹農家の適切なビジネスモデル」、3 .「農業研究及び民営機関・私営機関との連携」。イベントの前に我々委員会メンバーは「じかに」民営・私営の現場を見ることができ、講演者の方々とそこでお話をすることはとても楽しく有意義な時間であった。アグリパークでは、農産物研究がどのように行われているか、また特徴的な新潟の「Foodscape」文化を人々に教えていくことのできる公共施設を見ていった。我々の訪問中には、子供達が様々な料理・農業体験を楽しんでいる様子にも触れることができた。笠原氏の白根グレープガーデンでは、葡萄畑の下での一家揃っての焼肉パーティ、子供達と動物のふれあい、イチゴ狩り、農産物直売等、顧客サービスをベースとしたビジネスモデルを拝見した。岡村氏のビジネス活動は、燕三条地域の「朝カフェ」イベントの一部である。参加者は早起きをして、そのイベント会場に出向き、ボランティアチームの案内で、グレープビュッフェを楽しむ。私は妻と一緒に一度それに参加し、葡萄栽培に関するスペシャリストのアドバイスと、皿やテーブルまですべて「メイドイン燕三条」のものを使用している「地域ブランディング」に大いに感銘を受けた。11月23日のイベントは、坪川氏のご厚意により、まさにその現場「アグリパーク」で開催された。多くの聴衆の下、坪川氏はその地域の果樹農家の歴史とトレンドに深い見識を披露された。笠原氏は、顧客サービス及び家族の支援を伴った起業化精神の重要性を強く主張された。岡村氏は朝カフェの地域ブランディングのコンセプトについてお話しされ、併せて家族と地域ボランティアのサポートにも言及された。聴衆にとっても、我々委員会のメンバーにとっても、とても思い出深いイベントとなった。公営・民営機関の相互協力、家族の支援、地域ブランディングが、いかに新潟のユニークな「Foodscape」を維持していくことができるかについてのヒントを得て会場を後にした。果樹農園におけるサスティナブル フードスケープ(果樹農園における「食の風景」の継承に向けて)ジョン・アダムソン(日本語訳 樋浦千佳子)37 University of NIIGATA PREFECTURE