ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

第2回公開講座 新潟における果樹農園の展望後、本題に入りたいと思います。坪川 アグリパークにおける農業体験は、いままでは夏場が中心でしたのでいろんな作物がありまして、学校の子どもたちが来たときにいろんな体験ができたわけです。ご質問のようにこれから冬期間になりますと、圃場には降雪のため出られません。したがいまして、今ハウスが3 棟ありまして、そのハウスの中に苺の高設栽培ということをやっております。他の2 棟では、この地域の特産作物であるチューリップの切り花の栽培をしております。ですから、いろんな作物を収穫するあるいは植え付けるというものは冬期間できませんけれども、冬期間はそれに応じたようないろんな体験を工夫してやりたいと思っています。それから収穫体験だけでなく、いろんな体験ができるのかということですけれども、だいたい土日を除いて、平日は市内の小学生が主ですけれども、今年は新潟市内114の小学校の約7 割がきまして体験授業をする予定です。6 月の28日にオープンしましたが、8 月には夏休みになりますから、実際は7 月、9 月、10月、11月の4 ヶ月くらいでしょうかね。ですから今年の場合は作付け体験というのはほとんどできませんでしたけれども、来年の春からは作付け体験ができますし、場合によっては、その季節の作業をしてもらうということになります。特定の学校が一区画を持って作付けから収穫までやって、という方式ではなく、その時期に合った体験をしてもらうというかたちで今行っております。作物の他に、畜舎がありますので、畜産体験を組み合わせてやっています。畜産体験の方は、乳牛が2 頭、羊が2 頭、山羊が3 頭いまして、餌やりだとか搾乳体験、あるいはブラッシング、心臓の音を聞くとか、子どもたちが給食で飲むミルクはこんなところからできているんだ、ということも体験してもらうことにしています。そういう組み合わせをしながらやっていきたいと思っています。山中 それでは、第3 のテーマの本題ですけれども、それに関係している質問が、まず、最初の坪川さんのレクチャーの中に、最後のアグリパークの役割というのが何点かあげられていたのですけれども、もう少し具体的に実施主体がどこで、どんな支援内容なのかということを聞きたいという質問なのですけれども、それを果樹農園の後継問題と、ビジネスモデルの開発に対して、具体的にアグリパークがどんなことができそうか、ということをお話しいただけますか。坪川 まず、アグリパークの機能は大きく分けて三つあると思っています。一つは公的な教育ファームですね。日本では各地に私的な教育ファームがいくつかあるそうですけれども、パブリックな教育ファームはここだけだそうです。ですから、子どもたちがここにきて農業体験をする、食育体験をする。そういう食の教育の場ですね。それが一点。それから、先ほど言いました6 次産業化を推進するということで、食品加工施設をメインとして、食品加工の基礎を学ぶ、支援していくというのが二つ目の機能です。三つ目が、農業の担い手を育成していくということなのですけれども、ここはあくまでも農業体験施設ですので、農業に関する総合的な知見は持っておりません。正直言いまして、そういうものは専門機関に任せるべきだと思っていますので、ここでは将来農業をしたいという方が、農業に興味を持つ第一歩を体験していただくと。興味喚起をしていく施設だと思っております。ただ、ここはそういう方がくれば、相談に乗りますけれども、アグリパークには圃場は畑しかありません。水田と果樹園は持っておりませんので、隣にいる笠原さんのグレープガーデンさんとか、そういった果樹農家に研修をお願いしますし、子どもたちが来れば、そういうところで勉強をしてもらう、というかたちをとっております。隣に農業活性化研究センターという新潟市直属の施設がありますが、ここでは今話題になっているビジネスモデルの研究もしておりますので、アグリパークでは基礎的な体験、あるいは農産加工の実習等をしていただいて、将来起業家を目指す方はそちらのセミナーを受講していただく、ということで、役割分担をしながらすすめていきたいと考えております。山中 そのなかでアグリパークが力を入れようとしている農業体験の中から農業後継者になりたいという子どもたちがいずれ成長してくる可能性とか、あるいは加工の関係でいうと加工技術を通じたビジネスモデルの支援のような可能性というのはどうでしょうか。つまり農業教育を通じて、広く将来の後継者を、直接営農者の子弟ではなくつくっていくという。坪川 教育ファームというのは農業そのものを教える場ではないのです。あくまで農業という手段を通して子どもたちに考える力をつけさせていくという33 University of NIIGATA PREFECTURE