ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

第2回公開講座 新潟における果樹農園の展望をしたり、お話や一緒に食事をしたりと、生産者との触れ合いを大切にしています。そしてもう一つ、燕三条畑の朝カフェの重要な特徴が農商工連携です。燕市、三条市ともに工業が非常に盛んで、特に金属加工とか、洋食器、ここにもありますけれども、カトラリーと言われるナイフ、フォーク、スプーン、こういったものですとか、この座っている椅子、テーブルも地元のアウトドアメーカーのものを使っています。こういうふうに、この取り組みを地元の工業、商業関係の方が後押ししてくださって、応援してくださって、農商工連携がこの場で実現されています。そんな感じで続けている畑の朝カフェなんですけど、その中で色んなつながりが生まれてきました。その一つがこの「朝カフェ倶楽部」というファンクラブなんです。今500名ぐらい登録があって、これは今年初めてやったファンミーティングの様子です。非常にコアなファンもたくさんいらっしゃいます。そして先ほどのファンクラブの中から、本当に朝カフェのファンになって、自分もスタッフとして応援したいという方も結構出てきまして、この写真は2012年9 月でスタッフはみんなプロジェクトメンバーでやっていたんですけど、今年の9 月の朝カフェではほぼ全員スタッフがボランティアでやってくださったというふうに変化が出てきました。そして、そのファンクラブの中から農家の仕事の忙しいとき、例えば梨農家さんの受粉作業とか、非常に人手が必要な作業ですよね、そういったときに私でよかったらお手伝いしますよという方がこうやってお手伝いしてくださるようになりました。そういうわけで、いろんな広がりが生まれている畑の朝カフェなんですけど、まあイメージとしては、真ん中にさっき畑で食事をしたあのイベントがあって、そこを中心にしていろんな関わりや、つながりが生まれてくる。例えば、先ほどのカトラリーとかテーブル椅子のような、農商工連携のことですとか、あと先ほどのファンクラブのこと、それから市民の方は参加することでいろんな体験ができたり、自分の地元に対しての誇りが生まれたりということがあると思います。それからいま試験的にやってることなんですけど、オリジナル商品みたいなものも生まれてきています。こういったかたちで、有機的ないろんなつながりができております。この朝カフェなんですけど、今後に向けてどういう課題・展望があるのか、自分なりに考えてみました。まずはツール、器としての洗練から必要だろうと。農家が自分のやってる農業、農産物を知っていただくためのツール。料理に例えると、自分を載っけるための器としての朝カフェというイベントをもっと農家が参加しやすいような形にもっともっと簡素化するのか、工夫するのか、そういった形で洗練化していく必要があるだろうと。まだ結構いろんなお手伝いや、手間を必要とする部分が多いので、その辺を改善していくと、参加農家も増えるでしょうし、燕三条だけに留まらなくて、新潟市とか長岡とか、また新潟県を飛び出すというような展開も出てくるのではないかと思っております。それから、もう一つが応援者やファンの活動の場の提供が求められてくるんじゃないかと。先ほど写真に出て来ましたファンクラブのみなさん。本当に色んな場に関わってくださるようになってきました。そこでイベントだけに留まらない、日常の農業現場への波及が生まれてくるんじゃないか、活動の場を用意することで、そういう波及効果が生まれてくるんじゃないかと期待しております。畑の朝カフェを通して見えてくる未来、それはどんなものかなと考えるんですけれども、畑が磨かれる、そこにいる農家、人が磨かれる、その結果地域が磨かれることになるんだろうと考えています。そして先ほど色んな地域の果樹の歴史を聞いて来ましたけれども、先輩たちがずっと磨き続けて、積み重ねてきて大事に育んできたものを、より輝かせて、次の世代につないでいく未来が朝カフェを通してできるんじゃないかと。後継者の問題、非常に心配ですけれども、例えば畑の朝カフェを開催した時に、ちょっといつもとは違う自分の父親とか母親の様子を子どもたちが見るんですね。なんかいつもと違ってカッコいいとか。そんなところで、自分の家の家業の内容、仕事に興味を持つ子どもたちが出てきて後継者問題解決に繋がるなんてことも期待できるんじゃないかなというふうに思っています。ということで、今日は学生の皆さんもたくさん来ていらっしゃいますが、ぜひ畑の朝カフェ、身近にある原石磨きを一緒にしていただけたらなと思っております。以上です。ありがとうございました。27 University of NIIGATA PREFECTURE