ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

第2回公開講座 新潟における果樹農園の展望ランクでは世界一の接客を受けているお客様ばっかりです。果物園も県内のお客様、県外のお客様、海外のお客様、それぞれの日本のおもてなしを求めてきておられるので、われわれ迎える者が、まず身だしなみ、外観もそうです。あと、話し方。お客さんじゃなくして、やはりお客様、私もスタッフに言うんですけど、スタッフは「同じじゃないんですか」、「お客さんとお客様、聞いたらどっちが気分がいい?」、「やはりお客様ですね」と。ではそれをどのように変えていったらいいのかというのは、一人一人の性格とか話の仕方があるので、それをいかに早く自分が気づいて、そのお客様に合った伝え方ができるかできないか。それをするためには、いかにスタッフ同士がコミュニケーションを取って、目でものを言う阿吽の呼吸でお客様対応ができるかというところが、今私が心がけているところです。あと、お客さんはプロなんで、われわれが心から迎えてるのか、口先だけで迎えてるのか、本当に作り笑顔で迎えられてるのかというのはパッと読んでしまうんで。うちの入り口は狭いですけど、書店から入るような感じになっています。その受付けスタッフ、まずそこにいるのは、女性で、子どものいる方、ご主人のいる方、それぞれですが、人間ですので、どうしても家族内でけんかがあったり、子どもの体調が悪かったりというのがある。その方々が無理して会社に来て接客してもやはり心に他の気持ちがあるんで、完璧な接客ができない。ですから、朝になって体調悪かったり、子どもの具合が悪かったら、突然電話でいいから、休んでもらっていいですからと、というような指導はしております。●リスクとの戦いそうやってやっているなかで、われわれ本当にお客様のためにどこまで努力できるかが、非常に難しいところかなと思います。観光農園をやっていくのに、果物を少し高く売ったんで、売れ行きが極端に上がってこないんですけど、お客様を迎えるために施設を作った分は工業製品の購入ですので非常に経費が高くつきます。先行投資で後から利益がついてくるんで、先にその投資をできるかできないかというのも非常に怖いところですけど、それはやはり自分の経験と夢と周りの情報をとってやるしかないかと思っています。あとは、果物は自然相手なんで、ある程度ハウス栽培等もできますけど、自然災害には非常に弱い。野菜関係、キノコ関係には、大手企業が参入してどんどんやっていますけど、果樹に関しては、木を植えて3 年? 5 年後から生産が始まって、施設をやれば高くつくので全体的にも非常に厳しい。そうすると、自然栽培ですと、台風1 回で終わる可能性もあるんで、そういう非常に高いリスクがある中でやっていかなきゃならんと。まあ、オリンピック、4 年に1 回ぐらい、何とかなるんじゃないのという方もおられますけど、やはり4 年に1 回の災害でもなかなか厳しいし、永年作物なんで、1回災害があったら、3 年? 5 年はどうしても尾を引いてしまう。そのようなところがやはり非常に怖いところだなと。あとレジャー産業なんで、国内の経済によって非常に左右されやすい。バブルがはじけてから、今もなかなか復活していないけど、2 割3割ダウンしたまま走っている農園がほとんどですし、やはりやめていかれる方が非常に多くなってきています。やはり観光農園はリスクが高い分色々大変なんで、接客とかスタートの関係があるんで、食材店に完全に変えちゃって、直売コーナーでお客さんに相対しているというような方も結構出てきているところです。●産地の維持に向けてやはり先ほど坪川さんが言われた、産地として南区の果樹農家も衰退してきております。後継者も少なくなってきて、私の部落に一時は40軒の方々が葡萄を作っておりましたが、今現在は5 軒の方しかおりません。面積がどんどんどんどん減ってきております。私は地域がなければ農業って維持できないと思うんで、近所の方々から「頼む」と言われるときは、さて、何を作るかなと思っても一応「はい」ということで農地を借りて私の方で維持管理、場合によっては、除草剤しか撒いてないところもありますけど、そのように努力しておるところです。何かいい作物がないかなということで、今模索しながらやっております。手間をかけたりして、それが金に変わればいいんですけど、面積が増えると、スタッフを入れてやってると、人件費のほうが先行してしまってスタッフにあげる給料よりも年間を通すと、増えた面積にかかる経費の分売り上げのほうが減ってしまうという、その辺が、これから非常に難しいところかなと思っているところです。23 University of NIIGATA PREFECTURE