ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

第2回公開講座 新潟における果樹農園の展望も起こるということです。加えて、最近では農業資材とか、農薬等が非常に値上がりして苦しい経営を余儀なくされているのではないかと思っております。さらに、果物の消費水準の低下ということですが、昭和55年と平成24年の国民一人あたりの果物の家計購入数量の推移を見ると、一番落ち込みがひどいのがみかんですね。昭和55年を100とすると28まで落ち込んでいるということで、全般に果物の消費が落ち込んでいるという状況です。●課題解決の模索そこで問題解決の模索ということで、私なりにどんな解決策を考えたらいいかということで考えてみました。一つは果樹の家族経営から果樹農業への組織化ということですが、先ほどもお話ししたように、果樹農業の現状というのは家族経営で、労働集約型の産業です。土地利用型農業と異なり機械化がなかなか難しく、更には細かい管理技術が要求されるということで、管理技術による個人差もあるということで、これ以上の栽培面積減少を防止するためには、栽培農家の組織化ができないものかというふうに私は考えました。まあ全国的に見れば、果樹農家の完全協同組織という組織もあるわけです。稲作では会社組織への移行などの動きも見られますが、この家族経営を基本とした経営のあり方を検討すべき時期にきているのではないかと思っております。二つ目に、新たな果樹農業経営者の参入ということですが、新潟市は水田とか土壌条件に恵まれ、交通機関は整備されていまして、他の地域に比べて私は本当に農業の適地だと思っています。そういうことで農業外から果樹経営への新規参入の動きもみられます。南区では農外からの若い参入者を今農家の元で研修を行っている事例もあります。それなりに覚悟も必要だと思いますが、そういう意味では発展の可能性をもつ果樹経営が期待できるのではないかと思っております。それから三つ目に、6 次産業化の進展ということですが、すでにこの南区では果物を利用してジュースとかジャム、ジェラート、あるいは缶詰加工などの企業化を進めている農家も多くあります。それから西蒲区の巻地区ですが、砂丘地に耕作放棄地が多く見られますが、そこに葡萄を植栽して、それを加工してワイナリーが何軒か出店しています。また北区では特産のトマトを加工して製品化している事例もあります。それから現在、アグリパークの一画にある食品加工センターのほうで新潟市江南区の特産物である藤五郎梅、それから梨ですね、この加工の試作も行っています。ジュースやジャムのほかに果物を乾燥して粉末加工して、食品への添加をして、幅を広げていこうという試みをしているところです。さらに今年新潟市は農業特区に指定されて、ニュー・フード・バレー構想をつくりました。新潟市は米をはじめ、様々な農産物に恵まれている地域で、食品関連産業が立地していますし研究機関も集積しています。これからは消費者ニーズを的確に捉えた商品開発が重要になってくるのではないかということで、農家の利益とマッチした食品加工の誘致が望まれるのではないかと思っています。●果樹農業と「新潟市アグリパーク」の役割最後に5 番目として、果樹農業と「新潟市アグリパーク」の役割ということでパワーポイントを見ていただきたいと思います。この新潟市アグリパークは今年の6 月28日にオープンしたばかりですけれども、機能としては、一つは教育ファームです。教育ファームというのは、文部科学省が定めた学習指導要領に従って、ここで子どもたちが授業の一環として農業体験をする場所ですが、子どもたちが食の大切さとか農業の素晴らしさに気づき、故郷の新潟を愛して、さらには地域に対する誇り、あるいは何よりもこれからの生きる力を養うことが設置の目的です。様々な農業体験を通じて、農業の素晴らしさに気づいて、将来農業の応援者となってくれれば、私は素晴らしいのではないかと思っています。もうひとつの機能が食品加工支援センターです。これは農業の6 次産業化を進める拠点になります。この食品加工支援センターで農作物の加工を希望する農家が初歩的な技術を取得して、6 次産業の裾野を広げていくことが求められています。この写真は、夏にアイスクリームを作った写真です。これはアイスクリームに枝豆を入れて商品化できないかということで進めている写真です。これはジャム製造の加工講座です。これはキウイフルーツを用いたソース作りの写真ですね。これはトマト、ブルーベリー、りんごを用いたジャムの製造の状況です。これは先ほどお話しました野菜果物の乾燥粉末加工講座ということです。アグリパークの持つ三つ目の機能の農業の担い手19 University of NIIGATA PREFECTURE