ブックタイトル平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

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平成26年度公開講座記録集

平成26年度新潟県立大学公開講座「新潟における食の風景」増えるように、少しでもお手伝いできればいいと思っています。お蔭様で学校蔵プロジェクトを始めて、まだ体験の段階まで進んでいないのに、人が大勢来てくれます。テレビも来て、人を案内するのが忙しいという感じになっています。そのぐらい注目していただいている現状からさらに発展して、少しでも地域が活性化され、この島がますます面白くなっていくことによって、安心して子どもたちが帰って来られると言う様になれば成功だということでやっています。このスマートエコアイランドプロジェクトが成功するといいなと思っています。手前味噌になりますが、日本酒の需要が多くなると、地域の発展に少しですが寄与したことになります。簡単に言うと、日本酒の需要が増えると、米を使いますから農業振興につながりますし、地域経済の活性化にもつながります。酒屋が人を雇えば、雇用が増えますから、そういった部分でもつながっています。さらには酒蔵ツーリズムといったことで、外国からのお客様も徐々に増えてきているようです。単純に日本酒が少し売れたというわけではなくて、こういった色々なものがつながっていることを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。昨今のグローバリゼーションと醸造技術の向上による大量生産の中で、大きい酒造メーカーが業界の中心にあります。例えば、最大手の白鶴さん1 社で新潟県の90社の酒蔵が束になっても追いつきません。そのぐらい規模が全く違います。私たちのような地方の小さな生産者というのは、地域性、リージョナルな発信をして差別化をしていく、テロワールの語り部になっていくことで、生き残りが出来ると思っています。新潟県、さらには佐渡という自分たちの住んでいる、酒を造っている、あるいは造らせていただいている場所にこだわって酒造りをすることによって、会社も発展するだろうし、地域の魅力作りに寄与できるのかなと思っています。●おわりに最後にまだ若干時間があるので、この場でお願いをさせてください。みなさんにお願いしたいのは、新潟のお酒をぜひ欠かさず飲んでいただきたいということです。もちろん当社のお酒を選んでいただければさらに申し上げることはないのですが、先ほどもお話したように、新潟のお酒を召し上がっていただくと、新潟の農業が潤ってきます。新潟の農業が潤うということは、新潟県全体の景気がもっとよくなっていきます。それからテロワールの方に戻りますが、新潟の豊かな環境を守ることです。酒屋というのは、水、米といった環境に極めてかかわりのあるものを材料としております。このように新潟のお酒の消費を通じて、経済だけでなく環境も守るという認識が高まれば、と思っております。それから、今日いらっしゃる学生の方々にぜひお願いしておきたいことは、日本酒についてちょっと勉強しておいて欲しいと思います。たくさん飲めというわけではなくて、これから国際化が進んでいく中において、酒の知識がないということは、恥ずかしいことだというふうに理解してください。海外では今日本酒ブームになっています。そこでお酒について聞かれた時に、飲んだことがないしほとんど知りませんというと、すごく残念に思われます。その国の国酒であるものをしっかりと知っておいていただくことは、とても大事です。お酒だけでなくて、酒のバックグラウンドであるテロワールについても、知識として持っていることが大切です。特に新潟県で勉強している人にとっては、よりそうだと思ってください。就職で東京などに行った際に、「新潟出身なんだ、お酒おいしいよね。」と言われた瞬間に、「私飲まないんです。」と答えると、つまんない奴だなと思われます。ぜひここはしっかりと知識を持って新潟を語れる、新潟の酒を語れる人になっていただければと思います。最後に余談ですが、私の家内はもともと東京で映画会社の宣伝をやっていました。彼女が面接の時に特技は何ですかと聞かれて、利き酒ですと答えると大変受けたそうです。もちろん酒蔵育ちというのもあるのですけど、そうでなくても、特技は利き酒とか趣味は日本酒というと、親父受けがすごくいいです。そうすると、場が和んで合格する確率が極めて高くなるということがあります。というわけで、日本酒をしっかりと学んでいただければと思います。本日はご清聴大変ありがとうございました。University of NIIGATA PREFECTURE 14