ブックタイトル平成25年度公開講座記録集

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平成25年度公開講座記録集

平成25年度新潟県立大学公開講座「新潟における食の風景」皆さん、こんにちは。ご紹介に預かりましたフェルミエの本多でございます。まず、自己紹介からさせていただきますが、私は新潟市出身で、今46歳になります。2006年から、フェルミエというワイナリーを創業しまして、現在にいたっております。皆さん多分ご存じだと思うんですけど、旧巻町のカーブドッチワインというのが今から20年ぐらい前にできました。そのすぐ隣、うちは西蒲区の越前浜という住所になります。家族でやっているという言い方をしているんですが、一応会社の形態は株式会社ということになっていまして、業務内容はブドウを栽培して、ワインを造って、販売をして、それからワイナリーの中にレストランを営業しております。フェルミエは創業してから7 年という間もないワイナリーですので、まだよちよち歩きの状態です。と言いますのも、うちは年間1 万本ほどの少ない数しかワインを生産していないのですが、そのうち自分の畑のブドウで造っているワインというのが、まだ2 ? 3 割なんです。毎年少しずつ畑を広げて、自分の畑から採れるブドウの比率を少しずつ高めていっている最中で、現状ですとフェルミエのワインの7 ? 8 割は、外から買ってきたブドウを使っているというのが実情です。畑や醸造といった普段の作業は基本的に私がやっていますが、収穫の時、それから瓶詰めの時、あと収穫の後の仕込みの時には非常に人手がかかりますので、その時は主に新潟大学の学生をアルバイトでお願いしています。また、レストランもシェフの人に入ってもらっていまして、その他にホールのスタッフが大体平日は1 名、忙しい日になりますと2名入ってもらっています。それから、脱サラをしていきなりワイナリーを始めた時、皆さん結構びっくりされて、本当に1 人でゼロからってすごいねっておっしゃるので、ちょっと誤解がないように申し上げておきますけれども、実は先ほど話をしたカーブドッチさんはあの周辺をワイン村にしたいという構想をお持ちで、ワイナリーをやりたい人にノウハウを教えるワイナリー経営塾というのを開いておられました。私はその塾生に応募をして、いろいろなことをカーブドッチさんに教えていただいたおかげで、こうやってワインを造ることができるということでございます。ですから家族経営のワイナリーと言っても、実際にはいろいろな方にお手伝いをいただいてやっているということでございます。●ワインのおもしろさ何でサラリーマンから脱サラしてワインの世界に入ってきたのかという質問を多く受けるんですけども、この答えは一つしかなくて、本当にワインが好きだったんですね。僕は1967年、昭和42年に生まれまして、平成3 年に東京で日本興業銀行という銀行に入りました。最近は半沢直樹というドラマでなんとなく銀行の仕事を皆さんイメージしやすいんじゃないかと思うんですけど、ああいう世界におりまして、ワインを飲むと言っても、帰りも遅いし、そうそう毎日飲んでいる時間もないので、大体週末に1本を楽しみにしている感じだったのですが、本当にいろいろなワインを飲んでいるうちに、ワイン、おもしろいなと。何がおもしろいかと言うと、ワインは品種や年によって味が違います。それから、特に他の酒との違いで言うと、一番比較して分かりやすいのがビールなんですけど、ビールも本来は原料が麦芽とかホップとか、農産物ですよね。ところが、お店で売っているビールはどこで造ってもいつ造っても、必ず同じ味にするわけです。ですからビールは完全に大量生産の、私は工場で造る工業製品だというふうに思っています。一方で、ワインは農産物ですね。一番分かりやすいのはワインのラベルなのですが、ちょっと参考にお話しますと、たとえばフランスのブルゴーニュ地方があります。そこのワインのラベルには、まず造日時:平成24年12月15日(土)会場:新潟県立大学 新学生ホール2階コメント:李佳(新潟県立大学国際地域学部助教)司会:田口一博(新潟県立大学国際地域学部准教授)第3回公開講座「フェルミエ」のフードスケープ?ワインの普遍性に魅せられて? 本多  孝University of NIIGATA PREFECTURE 22