ブックタイトル平成25年度公開講座記録集

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平成25年度公開講座記録集

平成25年度新潟県立大学公開講座「新潟における食の風景」「ふーど工房ゆうこ」訪問記青木知一郎五十嵐さんの店舗は、三条市の下田地区にあります。2005年に三条市と合併した下田村というと、皆さん何を思い浮かべるでしょうか。私の場合、県外出身ということもあり、最初にぱっと頭に浮かんだのは河井継之助の「八十里越」でした。旧下田村はかなり広い地域を占めていました。「八十里越」はそのうち福島県境と接する山のほうの話です。旧下田村の中心部とされる三条市の下田庁舎があるあたりに目を転ずると、会津方面に向かう国道289号(いわゆる八十里越、未開通部分あり)と魚沼や村上方面とつながる国道290号が交差する場所となっています。1985年に廃線となった国鉄の弥彦東線(通称)の終点である越後長沢駅があったことでも知られています。つまり、旧下田村付近は交通の要衝といってもいいようです。10月10日、講師をしていただく五十嵐さんの店舗に、渡邊先生と打ち合わせに伺いました。越後長沢駅跡バス停のちょっと手前で国道290号に入り1 キロ半ほど進んだあたりの国道沿いに店舗はあります。東三条駅から越後長沢駅跡バス停までの路線バスの所要時間は20分ですので、三条の市街地からそう遠くないところです。予想以上に早く着いてしまい、笹団子の材料となる笹などをとりに外出されていた五十嵐さんと携帯で連絡を取り、早めに戻ってきていただきました。お戻りまでの間、店舗の周囲を眺めておりました。店舗の前には国道を挟んで稲刈りの済んでいない田んぼがあり、店舗裏の畑の脇には柿が植えられ、色づいてきた柿の実や黄色い稲穂が、紅葉前の木々の緑の中で映えていたのが印象に残っています。五十嵐さんの笹団子は、ヨモギの葉ではなく「ごんぼっぱ」(オヤマボクチの葉)を使っています。粒あんやこしあんといった定番ともいえる笹団子だけでなく、サツマイモやきんぴら、さらには自家製の甘みそを使った商品もあります。団子を包んでいる笹も含めて、ほとんどが下田やその周辺で取れるもので作った笹団子です。私は五十嵐さんの笹団子を新潟駅で購入して何度かいただいていますが、下田の景色の中でいただくのも、またいいものです。伺った際には、笹団子に関わるお話だけでなく、起業の経緯、その過程での色々な方々との交流、さらにはこれからやりたいことなど、たくさんのお話を聞かせていただきました。ご講演の中でご自身が話しておられますので、詳しくは本文をお読みください。今回の訪問の帰り道は、店舗を出て国道290号をそのまま進み、加茂を経由して新潟市東区の大学まで戻るルートを使いました。市街地から意外と近いことを改めて認識しました。五十嵐さんは毎週金曜日に新潟駅で笹団子の販売をなさっておりますので、これをお読みになられている皆様の中には、新潟駅で五十嵐さんの笹団子を購入している、という方がいらっしゃると思います。時々は下田の店舗に伺ってみたらいかがでしょうか。五十嵐さんの店舗の前に近隣でとれた野菜を置く計画もあるそうです。そのお話を伺った時、下田の観光スポットといわれる「八木ヶ鼻」や「漢学の里しただ」の近くの道の駅に以前立ち寄った際、新潟市街のスーパーではまずお目にかかれないスクナカボチャやズイキが目についたことを思い出しました。今まで気づかなかった「下田」との出会いがそこにある、と思います。University of NIIGATA PREFECTURE 12