ブックタイトル平成25年度公開講座記録集

ページ
11/34

このページは 平成25年度公開講座記録集 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

平成25年度公開講座記録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

平成25年度公開講座記録集

第1回公開講座 マリラ ?Marilla?るんですね。その売店で売られていたロッゲンブロートです(写真 左)。30センチぐらいあるんです。ロッゲンブロートは、ライ麦の含有率が極めて高いもの、ドイツでは100パーセントのライ麦パンをいいます。すごくおいしいです。値段も安いんですよ。これで3 ユーロ20セント、500円ぐらいで買えます。「なんでドイツパンなのとよく聞かれるんですけども、初めて自分で起こした自家製酵母で全粒粉25パーセント入りのカンパーニュ(田舎パン)を混ぜて焼いたら、偶然ドイツパンができたんですよ。最初からドイツパンを目指していたわけじゃないんですけども、ドイツ人の方に見せたら「これ、ドイツパンだよ」って。「ああ、そうなの」って言って。で、ドイツパンになっちゃったんですね(笑)。なぜ天然酵母なのか。イースト菌は工場で人工的に作られた酵母です。私は自分で天然酵母を起こしてみたら1 回目で成功しちゃった。それ以来ずっと自分で酵母を起こして使っていますが、もう風味と香りが全く違うんですね。お医者さまによっては「イースト入ったものを食べちゃいけないよ」っていわれる方もいらっしゃるみたいなんです。この写真は天然酵母作るところですけども、グリーンレーズンから作ります(写真 下)。1 週間ぐらい水につけてエキスを抽出するんですが、これが難しいんですね。徹底的に衛生管理をして、26度ないし27度ぐらいの温度の中に5 日間から10日間ぐらい置くと、もう泡吹いてきます。全部レーズンが上にあがったときが、見極めのサイン。もう嗅ぐと若いワインの香りがします。これで全粒粉の小麦と混ぜて5 日から10日ぐらいかけて、ドロドロの酵母を作ります。私のところは平成14年からずっと継ぎ足しで使っています。次に小麦の話なんですが、日本の小麦は大体9 割が輸入です。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどから輸入しているんですけども農薬に何を使ったかよく分からないんですね。残留農薬の検査もしていますけれども、よく分からない。それから、病害虫が入っているのを予防するためにポストハーベストといって、収穫して日本に輸入する前に薬をかけるんですよ。それがとても私は嫌で、国産小麦だけしか使いません。輸入の小麦は一切使いません。国産は作った人、農家の方の顔が見えますし、どんな薬を使っているか確かめることができるので。輸入小麦はとにかく安いんですね。20キロで3000円から5000円ぐらいだと思います。国産は20キロで、7000~8000円ですね。ハルユタカの100パーセントになると、20キロで1 万円かかります。輸入小麦の特徴は安い、グルテンが多いのですごく膨らみやすい。でも焼き上がったときの香りがないんですよ。国産は膨らみにくいです。膨らみにくいってことは、それだけテクニックが必要なんです。それと国産はやっぱり風味が豊かなんです。これが一番私が国産にひかれた理由だと思います。それから、長時間低温熟成。昔からの製造法に間違いはないっていうのが私の意見でして。とりわけイーストなんか使えば2 時間で膨らむんですけど、自家製の天然酵母使った場合はやっぱり時間がかかります。30度ぐらいで2 ~ 3 時間置けば膨らみますよ。でも美味しくはならないです。やっぱりたっぷり時間をかけて作ってあげるのがいいと思っています。昔は長時間熟成、冷蔵庫がなかったもんで、できなかったんですけど、今は冷蔵庫が発達しているので何時間でもできます。wholeサイズですと1 次発酵が15 時間くらい、2 次発酵が2 時間、焼き上げに大体1 時間かかります。窯の中に1 時間いますので相当じっくりと焼き上げますね。この写真ですが、私が自分で作った1 号窯で10日間で作り上げました。( 7 頁の写真参照のこと)。どうして石窯なんだっていったら、焼き上がった後のパンが全然違うんですよ。もう姿形も違いますし、味も違います。電気オーブンはヒーターが上下2 カ所しかありませんが石窯は全面が発熱体なんでね。だから遠赤効果が抜群ですんで、これはもうパンを焼くんだったら絶対薪窯だ、石窯だっていうふうに決めていました。自9 University of NIIGATA PREFECTURE