平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 76/80

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平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」んです。そこの地理条件があって、それで砂漠になっているわけなんですよ。で、木を植えてたら、その1 本1 本の木は貴重な貴重な地下水をくみ上げて、葉....

平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」んです。そこの地理条件があって、それで砂漠になっているわけなんですよ。で、木を植えてたら、その1 本1 本の木は貴重な貴重な地下水をくみ上げて、葉っぱを通して全部蒸発させてしまっているわけなんです。で、そういう話、われわれは現地に行って、NPO団体の人々に話をしたら、みんな驚きました。で、こんな話聞いたことがありません。木を植えるのはもう、素晴らしいことだけだと思っていました。つまり、そのとき私が思ったのは、環境問題に関して、実は私たち、非常に勉強不足、認識不足ではないかと。生半可な知識で活動している人々は、実はたくさん存在しています。環境について勉強することは、学者のことでもないし、学生のことでもないし、すべての人々の仕事だと私は思っています。そういう意味では、先ほど、水俣病は人間学とおっしゃっていましたけれども、恐らく、水俣病だけじゃなくて、環境学自体は、最終的な人間学であるのではないかと思います。田口 この公開講座で環境学、あるいはそもそも水俣病に直接向き合うという話を、地域連携センターに関係している教員の間で、もろ手を挙げて賛成という話では実はありませんでした。むしろ、別にわざわざ火の中にあるクリを拾うとういうようなことをやらなくてもいいだろうと。でもですね、県立大学がなんでここにあるのかなっていうことを考えたときに、あるいは、県立大学の授業は、なんで8 時50分から始まるのかなっていうようなことを考えたときに、そこに県立大学の役割が一つあったんじゃないかっていうことで、センター長に合意を取り付けていただいて、この講座が成立した。そういう点で、皆さんにお願いしたいんですけど、今、ようやくこうやって、卒業論文で新潟水俣病を採り上げようという学生が出てきたときに、温かく迎えていただきたい。分かってないじゃないか、知らないじゃないか、これじゃ駄目だなってたたいたらですね、二度と入ってきません。研究材料はほかにいくらでもあります。でも、そうやってつないでいくことが、われわれのミッションだなっていう理解がようやくできたところですから、ぜひ温かく受け止めて知らないなと思ったら、教えてあげてください。行政っていうか、権力とけんかするだけで物事が解決するかっていったら、それは無理なんです。しかし、権力者の好きなようにやらせたって、世の中良くならない。住民にきちんと向き合う。そして、一番弱いところが一番最初に痛めつけられているんだよっていうことを強い立場のものにこそ知らせる。そこが一番大事なんじゃないかなって思っています。公共政策大学院に勤めていたときに、恐らく中央官僚になる学生に阿賀野川流域をずっと歩かせました。日本の国土の7 割か8 割はこういうとこだぞ。汽車が1 回来たら、3 時間、4 時間来ないんだよと。本郷三丁目で待っていると丸ノ内線は2 、3 分おきに来ます。時刻表を見て地下鉄乗るやつはいません。だけど、こういうところが日本の大部分なんだよ。そこに水力発電所が造られて、工場が造られて、そして、水俣病ということを起こしてしまった。それにしっかり向き合うのは、住んでいる人たち以上に、君たちだよっていうようなことを教えてきたつもりです。新潟に来てから、なぜここで言及されてないかっていうこともよく分かりました。新潟で新潟水俣病を研究するっていうのは大変度胸の要ることのはずです。しかし、おっしゃるように、今の知事がいる間にその骨格が少しでもできて、何よりも大事なのは、県立大学が、地域と一緒にやっているんだっていう、その枠組みさえできれば、ずっとつなげていけるんじゃないかなと思います。だから、地元で、地域の中で、普通に研究ができるっていうような仕組みを皆さんがぜひ温かく支えていただければ、今回のたった4 回の講座で、確かに蓄積は大してありません。しかし、先に続くんじゃないかなって、私は考えています。渡邊 年の瀬のご多用、また雨の中、講師の先生、朴先生、山崎先生、ほんとにありがとうございました。朴先生は三重大学で中心になられて成果をご披露していただいたっていうことで、私たちこれから、県立大学として参考にさせていただきたいと思います。山崎さんはこれからぜひ一緒にお願いしていきたいと思います。4 回のこのシリーズに参加していただきました市民の皆さま、本当にありがとうございます。ぜひ先生方のお話の中にもありましたように、県立大学とUniversity of NIIGATA PREFECTURE 74