平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 75/80

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第4回公開講座 阿賀野川流域から発信するこれを出発点に、学生も踏まえて水俣病の現在進行形の問題を学んでほしい。私は水俣学は人間学だと思っていますから、患者さんとの接触を大事にしていただきたい。新潟には....

第4回公開講座 阿賀野川流域から発信するこれを出発点に、学生も踏まえて水俣病の現在進行形の問題を学んでほしい。私は水俣学は人間学だと思っていますから、患者さんとの接触を大事にしていただきたい。新潟には、3,000名、4,000名の患者がいます。熊本、鹿児島は、万単位の患者がいます。ぜひ1 人でも多くの患者さんと接するような、大学も集団として患者さんと接するような実践的なフィールドを提供していただきたい。私は、阿賀野患者会の事務局長として、全面的に協力させていただきたいと思いますし、患者の皆さんも、特に若い人に話すことについては、もうあと10年、20年しか生きられないっていう点では、大いに生きがいを持っています。学生の皆さん、今日新潟大学の3 年生の卒論の学生を連れてきてますけれども、そのことを大事にしていただきたい。で、県立大学として、全体として、そのことをバックアップするような、きちんと学問的に、体系立った、そういうものを位置付けていくような出発点にしていただきたい。新潟大学や医療福祉大学の先生、今日は県の担当者も来ていますが、泉田知事も理解がありますから、ぜひ水俣学、私は、新潟水俣病学だと思いますけれども、原田先生の学問に学びながら、ぜひ新潟で、それを生かしていただきたい。患者団体はいろんな考え方がありますが、多くの患者さんたちは、そのことにもろ手を挙げて賛成しているので、どうぞよろしくお願いします。朴 一言だけ言わせてください。ほんとにおっしゃる通りだと思っています。四日市公害のところで、教訓が一つあります。なんで四大公害と言っている中で、四日市公害だけは資料館がなかったのか。それはお金がないからだったわけではありません、やる気がないからでもありません。やっぱり、中にはやってほしくないというような力がありました。ただ、起きて60年。裁判になって、判決が出て40年たって、今、一丸となって、資料館必要だねってなりました。それが40年前に、患者さんの会とかいろんなところでも一丸となっていたらば、また変わったかもしれない。これが40年たって、今つくりましょうという形になりました。やっぱり、資料館というものというか、次の世代に残すということの大切さを、四日市の、四日市患者の会とかいろんな会の方々が、割れて割れて大変でつくらなかったけど、40年、50年たって、今、つくりましょうというふうになったということをどう思うのか。それは大変重要なことを意味していて、まさに県立大学が、これからいろんなことをやっている中で、大きな一つのやる意味というものを教えてくれているのじゃないかなと。今日の四日市学で、一言言わなかったのはその部分だったんですが、おっしゃってくださったので言えて良かったと思います。李 今日はあがのがわ環境学舎のさまざまな取り組みについて勉強させていただきまして、私ども昔中国で、NPO活動をやっていたことを思い出しました。実は、中国で環境教育を導入したのは極めて最近のことでありまして、私が学生のころはなかったんです。それで、私たちはNPO活動の一環として小・中・高の先生に対して、環境教育を提供する活動を行いました。私たちが思っていた環境教育は、当時、私たちも素人なので、外部から専門家を呼んで講演をしていただく活動を行ったんです。親はもう既に町で住んでいるんですけれども、おじいちゃん、おばあちゃんはまだ遊牧民でゲル(テント)暮らしが多かったので、その子どもたちを先生と一緒にゲルに行って、昔の生活様式や、周りの自然環境の変化について聞いてきてくださいというような課題をやってました。非常に好評でした。どういうふうに好評だったかというと、現地の先生は、今まで私たちは、環境教育っていう言葉を使っていたら、なんか、ごみを拾うとか、町を掃除するとか、雑草を取ったりとか、それが環境教育、環境保護だと思っていたんですけれども、地元の住民の話を聞く、特に老人の話を聞く。地元の、どういうふうにここまで来た。今、砂漠化が進行しているんですけれども、どうしてここまで来たのかという歴史を知ること自体が、環境教育、環境保全だと思っていませんでしたということを思い出しました。私が行っていた内モンゴル地域は、日本や中国の大きなNPO団体も多く活動している地域です。ほとんどのNPOが砂漠に木を植えています。日本でも同じなんですけれども、環境保全っていったら木を植えるっていうことが頭に浮かんでくるんですけれども、乾燥地域では、実は木を植えてはいけない73 University of NIIGATA PREFECTURE