平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 69/80

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第4回公開講座 阿賀野川流域から発信する高度成長期に経験した、四大公害問題の産業公害問題を克服した経験を途上国向けに発信する必要性があります。でも、そのときにどういうふうに発信するのか、あるいは何を経....

第4回公開講座 阿賀野川流域から発信する高度成長期に経験した、四大公害問題の産業公害問題を克服した経験を途上国向けに発信する必要性があります。でも、そのときにどういうふうに発信するのか、あるいは何を経験として提供するのか。国際支援とか国際援助とか国際協力って考えるとき最貧国、例えばアフリカ諸国に開発資金援助という話がすぐ出てきます。産業公害問題を克服するためには、資金の提供も大切です。でも、例えば中国とかほかのアジアの新興国の状況を見てみると、それほどお金に困っていません。お金に困っていないけれども、その割に、技術、環境保全技術が不足しています。例えば四日市ぜんそくの原因となった硫黄酸化物の対処技術とか、水質汚濁、あるいは重金属汚染への対処の技術提供が非常に重要です。そして最後に、もう一つ日本の経験というのは何かというと、地方自治体に蓄積されたノウハウ。どういうふうに問題解決に向けて、地方自治体は取り組んできたのか、そういうようなことが非常に大切。ソフト面なので無視され、忘れられたりしてるんですけれども、ソフト面の知識の移転が非常に大切ではないかと思います。人材育成のほかにも、こういう視点から日本の経験をぜひ途上国向けに発信できたらうれしいと思います。司会:小田さん、準備いいですか。ここで休憩します。ご飯が炊き上がっておりますので、阿賀野川の恵みについて官能検査と調査をよろしくお願いしたいと思います。◆流域とのコラボ司会:それでは再開します。今、ご飯炊きをやってくださいました小田製陶所の小田さんから一言お願いいたします。小田:皆さま初めまして。阿賀野市で陶管製造業、焼き物の窯元をやっております小田製陶所の小田と申します。弊社は現在は主に新潟県のほ場、田んぼの排水を良くするための素焼きの陶管を製造、販売をしています。明治6 年創業当初は水がめ、かめ作りを始めたんです。なんで阿賀野の安田でやったのかなと調べてみますと、まず良質な粘土があった。阿賀野川の水流が富んでいて、北前船貿易の拠点にもなった。川舟があって、行ったり来たりでき場所も良かった。職人は愛知県の常滑から来たが、浜から風が吹いてくる。われわれのふるさともダシの風の特に強い地域なんですね。焼き物をする上で、乾燥するのによどんだ空気ではなかなか乾かないですね。常に風も流れて、乾燥に効果的です。1 代目は川舟から北前船に乗って、福井、富山までを中心に販売しておりまして、その当時にとって、この蒸しかまどは、画期的なものだったんです。蒸しかまどは、かめ作りの技術がなければ、製造できないものだったんですね。蒸しかまどを私が初めて見たのは、小学校ぐらいかな。工場の脇に、なんとも不思議なつぼがある、なんのためのつぼなんだろうと思ってました。祖母が94歳で現役なんですけれども、信州の紡績工場に奉公に行ってまして、家族にご飯を炊いていたのが、この蒸しかまど。うちにあったものが、どのように使うのかというのが、実は私のおやじでも知らなかったんです。造って販売はしてますけど、自分のうちで使ってなかったんです。というのは奉公先のだんなさまとか富裕層の方が使っていたものです。一般では土釜に羽釜載せて、ご飯を炊くようなものが一般的だったんです。70年前に造った商品なんですが二つ残っていました。1 個は、長岡の新潟県立歴史博物館に寄贈しましたけれど、もう1 個、これを炊いてみましょうということで、おやじも知らずにいたものですから、「ばあちゃん、これ、炊いたことあるかもしれんけど、1 回教えてくれないかね」ということで、「いや、こうやって、こうやって」というふうに、私に蒸しかまどと炭で炊いた阿賀町上川産「東蒲幻米」を試食よく説明していただきまして。炊いたら、非常にお67 University of NIIGATA PREFECTURE