平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 62/80

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平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」もUNEP(国連環境計画)も取れるんですが、これはあくまでも見かけ上なんですね。大学ではいまだに、私を理事にさせた学長さえ、「四日市学はあまり言うな....

平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」もUNEP(国連環境計画)も取れるんですが、これはあくまでも見かけ上なんですね。大学ではいまだに、私を理事にさせた学長さえ、「四日市学はあまり言うなよ」ということを言っています。それだけ公害問題というものは奥深いものでありまして簡単にはできない。つまり、原田先生のような人じゃなければ難しいっていうんですね。決して偉い学者とかそういう意味だけじゃなくて、腹が据わっていなければできないことなんですね。四日市学ということをあんまり言うなというのが、行政も、商工会議所の人たちも、それから、仲間は心配していうのと、学長も、「四日市環境学とか、四日市何とか何とかとか、そういうのならまだいいけど、四日市学というようなものはあまりにもインパクトが強いんじゃないか」ということを言っているんですね。私の答えはいつも同じで、三重に外国人が来て、訳の分からないことをやって死んでしまう。私はもうその覚悟になっているので、「ただ、死ぬのは1 人では死なないよ、みんなで一緒に死ぬよ」ということを言っている。ちょっと脅かしているんですね。皆さんから認知してもらえるように頑張らなければならないというところで、最近一ついい方法が見つかりました。大学の学生に教えることは、大学の使命として誰も文句がない。そういったときに、偏ったことはやらない。それぞれの、あの当時の国はどういう動きだったのか、それから地方自治体がどうだったのか。それと「公害反対」と言いながらも、四日市コンビナートで仕事をもらって生活をつなげていくような地域住民に悪い判断ができなかったんだろうと、四日市学は非常に冷たい学なんですね。つまり、誰にも味方しない。非常に客観的なことを言って、学生たちがそれを学んだ上で、自分たちが社会に出て、あるいは大学在学中に何かが見つかったとき、そこをきちっと伝えるような考え方やプレゼンテーション能力や、人を説得する能力をアップしていくような手段として使っているのです。四日市学は共通教養なんですけれども、10個の主題別に人文社会的、自然科学とか分かれている中で、持続発展教育(ESD)をつくり31 科目を入れてあります。だから、何学部に入ってきた学生でも、特に1 、2 年生のときには、ここで、31 科目だから、36単位が取れるわけなんです。その中12 単位取った人に学長が自ら、修了証書をあげる。ただお勉強だけじゃ駄目。インセンティブと、それは国内と国際、どっちでもいいと。それから、PBL(Ploblem-Based Learning)セミナーで4 単位なんですが、自分でものを探して解決し、プレゼンまでしていくようなことを、1 週間に4 時間もある、そういうことをクリアしなければ、12 単位の中のパッケージにはならない。三重大学は学部生6,300人で、大学院プラス200人、留学生を入れると300人おります。学部生のうち4,500人がチャレンジしています。その中で、学長から修了証書をもらうのが約20人です。ハードルが結構高いですが、見事に1 年生でもクリアする学生もいます。こういう形で教育課程に食い込んだ以上、四日市学に関して、外が何を言おうと、教育カリキュラムとしては問題がない形にしております。もう一つが外圧の活用です。平和と人権と多文化となんでもありますので、ユネスコスクールに登録しちゃったんですね。ユネスコの動きをいち早くキャッチできて、うちの動きもユネスコに発信をしていく。発信が大事なんですね。そうなってくると、国連から三重大学は、ユネスコスクールの環境教育として四日市学をやっていると守られることになる。私は韓国人なので、韓国の環境省と文科省のファンドを取っています。だから、韓国が支援している私を下手に触ったら国際問題になると、自分の身も守りながら微妙なバランスの中でやっているんです。恐らく、皆さんがこれからつくろうとしていらっしゃる新潟学、阿賀野川学はすんなりいく場合もいろんなハードルがある場合もあるんじゃないかなと思っています。そういったときに、どういうことを自分の味方にしながらやっていくのか。水俣学だって、原田先生がこの前亡くなった跡を若い方々がたくさん引き継いでやっているんですけれども、果たして原田先生がやっているときのようなインパクトのある動きができるかはこれからなんだと思っているんです。◆四日市と阿賀野川を結んで不幸な過去のことを今に生かして未来に伝えるということは、生易しい話ではないということははっきりしているんだと思いますが、道はたくさんあるということも併せて、四日市学がどういうものか、University of NIIGATA PREFECTURE 60