平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 46/80

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平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」やっぱり水量が多くて、豊かで、ああいう帆船が走ってたんですね。うまく風が吹いてくれれば、帆で上れたんですけども、基本的に綱で引っ張って上るという....

平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」やっぱり水量が多くて、豊かで、ああいう帆船が走ってたんですね。うまく風が吹いてくれれば、帆で上れたんですけども、基本的に綱で引っ張って上るということで、津川のほうまで引いて行ったんですね。それからサケの地引き網をやったりだとか、いかだが流しをしてたとかいうふうなことですね。これは今の予告編でも出てきましたけれども、サケの捕り方で鈎流しというものです。あの鈎を竿の先に付けて、さおを流しながらサケが来たなと思うとピュッと引っかけて捕るという漁法なんです。だからこれは上手でないと捕れないんですね。いまだにそういう漁法をやってる人がいるんですね。これは鈎流しで獲ったサケですが、約12 キロある。こういう大きなサケが、阿賀野川では今でも捕れるんですね。これは、加藤準一さんっていう人が平成17年に鈎流しで捕ったものです。ここに穴が開いてますね。これ、その鈎流しで引っかけて捕った証拠です。こういう漁法っていうのは上手でないと捕れないし、残りのサケはほとんど自然産卵したり、あるいは熊の餌になったりということで、ほんとに自然と共生する技術だと思います。さっきの一網打尽の地引き網もありますけれども、こういう漁法というのは、ほんとに自然と共生していくための技術なのかなと思います。ともかく、こういうサケが昔はたくさん捕れたということなんですね。これが只見川上流の銀山平まで上ってたっていうんですね。それでさっき小瀬ヶ沢洞窟っていう話をしましたけども、阿賀野川支川の常滑川中流にあるのですが、1 万2,000年前の土器が出ます。土器が出るっていうことは定住が始まったっていうことを意味します。定住が始まるまでは、家族が子ども連れて年寄り連れて移動してるんですけども、大体年寄りは途中で脱落していくわけですね。移動中に死んでいくっていうか、捨てられていくんですけども。定住が始まると年寄りがそこにいて、子どもを面倒見るという中で、文化が継承されていきます。やっぱり定住が始まるっていうのが、人類の発達の中で非常に重要なことなんです。この土器が出るっていうのが、世界でも圧倒的に古いんですけども、僕が新潟に来たときに、その小瀬ヶ沢洞窟の土器が一番古いといわれてたんです。しかし、つい最近、1 万6,500年前の土器が青森で出てきたり、1 万3,000年前の土偶が大津で出てきたりしてるんですが、新潟の人はかつて日本で一番古い土器が出る、日本で一番古いということは、世界で一番古いことなんですが、それが出ることを学校等で教わってないです。遠藤さん、新潟出身ですね?遠藤 はい。大熊 教わりましたか?遠藤 教わりません。大熊 僕はなんでこんな重要なことを教えないのかと疑問に思っているのですが…、とにかく1 万2,000年前から阿賀野川には人が住んで、ずっとそれがつながってきてるということです。私が子どものころおおよそ300年前の阿賀野川下流部の状況「阿賀野川下流域図」(国土交通省・北陸整備局作成)よりUniversity of NIIGATA PREFECTURE 44