平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 44/80

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平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」で、あれは89年でしたかね、その正月に佐藤監督と小林茂カメラマンと旗野さんとで、私をしこたま飲ませまして、泥酔しいるところで、制作委員会代表をやれ....

平成24年度新潟県立大学公開講座「阿賀野川流域から世界へ」で、あれは89年でしたかね、その正月に佐藤監督と小林茂カメラマンと旗野さんとで、私をしこたま飲ませまして、泥酔しいるところで、制作委員会代表をやれってことで、なんか「うん」と言ってしまったらしいですね。その罠にはまってしまって、『阿賀に生きる』の制作委員会ということで、月1 回集まりをやっていたんですけども、どうやってお金を集めるかということで四苦八苦しました。結局、3,000万円は寄付、それで1,000万円借金して、『阿賀に生きる』という映画が完成しました。その当時、私は新潟大学の教授になってたかな、土木工学という分野で河川工学だとか土質力学だとか、土木の歴史だとか、水理学だとか、そんなようなことを教えてました。いわばバリバリの土木屋で、自然を破壊する側の人間でありました。まあ、ずっと最後までちゃんと教授として勤めまして、5年前に定年退職しました。2008年ですね。で、その私の定年退職の最終講義の記念パーティーには、遠藤さんと知り合ってましたから、司会をやっていただきました。定年退職してから、ますます自由になって、言いたい放題を言っているところです。旗野 今年『阿賀に生きる』完成から20年たって、ニュープリント作りました。主役になってるのは水俣病の未認定患者の3 家族なんですけども、その暮らしぶりをそのまんま撮ろうよ、水俣病っていう言葉を使わないで。出来上がって、出演してくれた患者さんからもみんな喜んで見てもらったんですが、翌年の93年の4 月に、加藤作二さん、餅屋のおじいさんね、1 人で1 日に28臼ついたんですよ、80過ぎて。そのおじいさんが、1 年後に亡くなり、あとを追うように6 月におばあさんが亡くなりました。その仕掛け人の責任として、追悼集会を5 月の連休に、とにかくお礼の意味を込めて、無料で16ミリフィルム上映を続けてまいりました。当然ながら、結構傷ついてですね、生ものでございますので。まさか20年も毎年やれるとは思わなかったですし、撮影の小林茂さんは手入れの行き届いたフィルム管理してくださってるから、多分、日本で一番きれいなフィルムを、われわれは観せてもらってたはずです。それにしても、すごく傷だらけだったんですね。で、ひょっとするとこれからまだ続くんじゃないか、20年も続いた幸運も含めて、ニュープリント、新しいフィルムに作り直そうとの声が上がりました。フィルムそのものがもう製造中止のニュースもあって、その焼き付けする技術者、職人がいないという話まで聞こえてきました。ラストチャンスだと。この節目にあえて、全てデジタルな世の中で、もう一度フィルムにしようと呼びかけましたら、5月4 日の追悼集会でもカンパが集まり、その後全国から約300人余り賛同いただきまして、ニュープリントができました。9 月にシネ・ウインド、地元でまずやらせてもらったんですけども、それを聞きつけて、佐藤真監督のいとこの東京で映画配給会社をやっている小林三四郎さんが、新潟だけなんて、もったいないから、東京でもやりましょうと。できたら全国上映やろうと。ドキュメンタリーで、20年ぶりにリバイバルの劇場公開なんてありえないんだそうですね。すごく張り切ってくれて、大変な事業であるけども、とにかく節目になるからやろう! 実は、11 月24 日が渋谷のユーロスペースの初日でした。私も、行かしてもらったけれど、ほんとに満席。小さい映画館ですが、若い人も結構来てくださいました。なんと2 時間の『阿賀に生きる』の予告編を、佐藤さんの編集を担当してくれた秦さんっていう、とっても有能な方がおられまして2 分でまとめちゃったんですね。これがまたものすごく評判でですね、これをまず、皆さんにぜひ見ていただきますが、2 時間を2 分でやっちゃったんですよ。本編よりもかえっていいっていううわさもあるんですけども、それをじゃあ、準備はOKでしょうかね。(映像の音声)A- どっこいしょと。お前さんたちも、ご大儀だ。おかしいようでもあれば、気の毒のようでもあれば、ひでえわ。B- 記念写真だよ、記念写真。『阿賀に生きる』タイトル画面University of NIIGATA PREFECTURE 42