平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 43/80

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第3回公開講座 阿賀野川流域と『阿賀に生きる』を語る司会 これから新潟県立大学公開講座、第3 回目を開催させていただきたいと思います。本日は、新潟大学名誉教授の大熊孝先生、「安田水俣病患者の会」事務局....

第3回公開講座 阿賀野川流域と『阿賀に生きる』を語る司会 これから新潟県立大学公開講座、第3 回目を開催させていただきたいと思います。本日は、新潟大学名誉教授の大熊孝先生、「安田水俣病患者の会」事務局の旗野秀人さん、そしてFM放送「モーニングゲート」のナビゲーター、遠藤麻理さんにお越しいただきまして、鼎談という形で、阿賀野川流域とその将来について、自由に語っていただければと思います。それでは、ナビゲートのプロの遠藤さんにバトンタッチしますので、よろしくお願いいたします。遠藤 まず、自己紹介をしようと思います。FM放送で、主にモーニングゲートという朝6 時50分から10時までの生放送を担当しております。聞いたことがあるという方、どのくらい…あ、少ないですね、ハハハ。ぜひ覚えてください。私、6 年前の2006年に、未認定患者の渡辺参治さんを主人公にしたラジオドキュメンタリー番組を制作したのが新潟水俣病と関わるきっかけとなりました。それまで私自身は、水俣病というものは怖いし、触ってはいけないもの、もう終わったものだとさえ思っていたんですね。でも、見た目は元気で、とても朗らかな参治さんという方に会って、ああ、参治さんのことみんなに伝えたいなという思いから、番組を制作することになったんですけども、そのときに、患者さんをご紹介いただいたり、水俣病についていろいろ教えてくださったのが、今、ご一緒している大熊先生や旗野さんで、それからずっと、ありがたいことに声をかけていただいています。(拍手)旗野 旗野といいます。安田の患者の会の使い走りをやってますが、家を建てるのが本業です。新潟水俣病とは40年ほど前から関わって、地元の患者さんたちとおつきあいさせていただいてます。ほんとにありがたいことでした。皆さんは水俣病といったときにどんなイメージを持たれますか。私はすごく重症な患者さんのイメージで、付き合わせてもらったんですけど、現実的には、普通のおじいさんとかおばあさんにしか見えなかったんですね。最初は運動の切り口で関わったんだけど、それだけだとほんとにこの人たちの、一番いいところはなかなか伝わってこない。運動は文化運動にならねばならないんじゃないかということに気付き始めて、たまたま『阿賀に生きる』っていう映画の制作にかかわって、水俣病事件そのものを伝えることも大事だけど、やっぱりそこには人がいる。その人たちをどう伝えればいいのかということを大事にしてきました。気が付いたら映画ができて20年、患者さんと友達になって40年、そんなふうに還暦2 年過ぎた旗野です。今日はよろしくお願いします。(拍手)大熊 大熊といいます。1987年、今から25年前に、「新潟の水辺を考える会」を発足させたとき、『柳川堀割物語』という映画を上映しました。これは、福岡の柳川という町が堀を全部埋めちゃおうっていうことで、それを埋めずに残して、今、年間400 万人から500 万人の観光客が来ている所なんですけども、そのドキュメンタリー映画です。新潟は堀を埋めてしまったので、「新潟の人よ反省しなさい」というつもりでその映画の上映会をやりました。私が、旗野さんと知り合ったのは、80何年でしたかね? この『阿賀に生きる』という映画を作ろうって話になって、監督の佐藤真さんは、まだ監督でもなんでもないころなんですけども、この映画『柳川堀割物語』を挟んだシンポジウムの席にいらっしゃってて、手挙げて、これから阿賀野川の新潟水俣病の患者さんを中心にした映画を撮りたいんだけども、協力してくれないかみたいな発言をされました。それから、いよいよ映画を本格的に作ろうっていうこと日時:平成24年12月1日(土)会場:新潟県立大学 新学生ホール2階鼎談:大熊 孝(新潟大学名誉教授・NPO法人新潟水辺の会代表)   旗野秀人(安田水俣病患者の会事務局)   遠藤麻理(FM PORT「モーニングゲート」ナビゲーター)司会:山中知彦(新潟県立大学地域連携センター長)第3回公開講座阿賀野川流域と『阿賀に生きる』を語る41 University of NIIGATA PREFECTURE