平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 27/80

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第2回公開講座 新潟で水俣学を継承するの木が切られずにたくさん残ってきたそうです。このような地元にあるものを探して、見つけて、磨いていくというプロセス。これが、地元学の考え方だそうです。「実践を通して....

第2回公開講座 新潟で水俣学を継承するの木が切られずにたくさん残ってきたそうです。このような地元にあるものを探して、見つけて、磨いていくというプロセス。これが、地元学の考え方だそうです。「実践を通して進化」ということで、まずプロセスが、行政主導型から、住民参加、そして協働、行政参加、住民自治を基本とする住民主体の取組というふうに矢印で結んであります。行政主導型というのは、このあと紹介する村丸ごと生活博物館というものがあるのですが、そのことに関連して自治的組織、「寄ろ会水俣」というものが設立されたそうです。それで、その行政主導というのは、行政が「自分たちで足元の環境を調べよう」と呼びかけることから始まり、住民参加というところで昔遊んだ思い出の川や海、山のことを話し合い、「今どうなっているのか、どうしたらいいのか」ということを語り合ったそうです。そして、次に協働ですね。ここでは、足元にあるものを探し、ものづくりや生活づくりに役立てていくために、地域資源マップづくりを呼びかけるというものなのですが、具体的環境として水に着目し、飲んだり使ったりしている水がどこから来て、どこに行っているのかということを調べたそうです。そして、行政参加ということで、水俣病患者の話を聞く、水俣市民の講座の開催であったり、市民の理解促進のために、対話集会を行ったりというものです。行政が参加してそのような講座をすることで、もっとその地域にある問題を知ってもらおうというような活動です。そして、最終的に住民自治を基本とする住民主体の取組ということで、もう行政が何もしなくても、自分たちだけで、「もうやっていけるよ」というところまで持っていくということです。調べた人しか詳しくならないというのは、どんなことを勉強していてもそうだと思うのですが、やはりその研究者や学者さんが外からきて調べただけでは問題は解決できないですね。その人たちが詳しくなるだけで、そこに住んでいる人たちは何も変わりません。だから自分で調べて気付きも共有することが重要だそうです。さて、「モデルケースとして」ということで「村丸ごと生活博物館」。これは、村が1 つの博物館として外から来た観光客の人たちにその村の良いものやことを知ってもらおうというような取り組みなのですが、村巡りでは、生活学芸員が集落を案内して、昔ながらの知恵や技について実際の農村を歩きながら経験します。食巡りでは、食材から料理まで作る、食の生活職人がおもてなしします。技巡りでは、竹細工や、村遊びの中で長く養われてきた技術を習得します。ということで、ここに出てきた生活学芸員や生活職人というものがあって、生活学芸員というのは、本当に普通のその村に住んでいる住民です。ただ、水俣市の頭石地区というところの生活学芸員は、村に住む人々が自分たちの住む村の良いものを発見、磨き上げ、外から来た人たちに自分たちの暮らしを案内しますが、生活学芸員になるための資格は「ここには何もない」と言わないことだそうです。この取り組みなのですが、親戚しか来なかった村が、なんと1,600人もの観光客を呼べるまでになったそうです。料金ですが、5 人までであれば5,000円で、その村の食材を使って食べ物を食べさせてあげたり、村の案内をしたり、そのようなことを行っているそうです。次に、「再生の四原則─もやい直しの考え方」ということですが、もやい直しというのは、水俣によって壊れてしまった人々の絆を回復しようと始まった動きで、もやいとは、船の元綱をしっかり結び合って、それを共用してことに当たることを示唆する言葉です。その4 つのプロセスは、1 つ目が人それぞれの違いを認め合う。そして2 つ目は人と人とが距離を近づける。3 つ目は話し合う。4 つ目は対立のエネルギーを創造するエネルギーに変換する、ということです。そして、水俣に生きる希望を作った地元学はということで、ボールを前に投げるためにはいったん後ろに振りかぶって投げます。前を未来に後ろを過去と見ると、人は夢を描き希望の持てる未来のために過去を振り返ります。水俣という地域で起きてしまった水俣病事件に目をそむけず、未来に夢を描いて共有し、環境都市水俣を作ることが水俣の取る道だったのです。これが『地元学をはじめよう』の9ページに書いてありました。本当に自分もその言葉に共感しました。新潟水俣病というものを、忘れないためにということで、新潟でも「環境と人間のふれあい館」の建設や書籍の発行などの取り組みが行われてきたということを勉強したんですけれども、水俣では、過去の悲しい出来事に目をそむけずに、環境で1 番になろうというところから、本当に世界に誇れる環境都市を作り上げることに成功しています。つまり、先程話した地元学をもっと活かして、さまざまな取り組みをしていければ良いのではない25 University of NIIGATA PREFECTURE