平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 21/80

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第1回公開講座 バスツアー 阿賀野川流域を知る活躍した筈です。揚川ダムより35年先輩の鹿瀬ダムは高さは1.7倍高い32 .6メートル。揚川ダムには一般向きの施設はありませんが、鹿瀬ダムでは国道459号からそれて遊....

第1回公開講座 バスツアー 阿賀野川流域を知る活躍した筈です。揚川ダムより35年先輩の鹿瀬ダムは高さは1.7倍高い32 .6メートル。揚川ダムには一般向きの施設はありませんが、鹿瀬ダムでは国道459号からそれて遊覧船の発着場や奥阿賀ふるさと館といった施設や駐車場、かつて使っていたタービンの展示などがあります。国道の反対側を上ると、肌がすべすべになる、かのせ温泉赤湯です。鹿瀬ダムには発電所が2つあり、最大出力は4 万9,500kWと5 万5,000kW。合わせた104.5メガワットは現在の新潟東部太陽光発電所の52倍です。阿賀野川水系のダムは2011 年7 月の新潟・福島豪雨で被害を受けています。鹿瀬は同年9 月に、第二鹿瀬は同12 月に復旧していますが、周辺にも土砂崩れや流木の堆積などがあり、本体以外は現在も復旧工事が続いています。確かに記録的な大雨でしたが、豪雨直後に訪れた際には、山中に放置されていた「切り捨て間伐」が大雨で流出したのではないか、と思えるもの、また、手入れされない山から根こそぎ流出してきた若い杉の木なども目に付きました。豪雨災害ですが、しかしそのおおもとは山の管理ができなくなっていることにもあると感じます。山の管理は人々の生活にも深刻な問題となっています。奥阿賀遊覧船発着場先には、観光目的で造園されたりんご園があります。当初の経営者が撤退後、放置されていた期間もありましたが、地元の有志によって再開されたものです。しかし放置期間に野生のサルが侵入。追い払うことが出来ずにいるうちに、サルがリンゴの味を覚えてしまったのです。リンゴ狩りができるようになる前に、サルに荒らされてしまうことが続いており、このツアーの際も立ち寄ることが出来ませんでした。リンゴ園で売っているのは、よその産地から仕入れたものだそうです。サルによる食害を防いだ成功例として聞くのは、人が集団で追い払う意思を見せる、ということだけのようです。地元の高齢者が立ち上がって再開したリンゴ園ですが、柵や網ではサルを防げないし、サルを防ぐと今度は上空からカラスの食害に合うといいます。麓までサルを下ろさないためには、周辺の山林に人が入り、サルの生活域との間で緩衝地帯が形成されなければならないのですが、このあたりでは既に集落にもサルが出没するようになっているそうです。イノシシやシカは銃猟やワナで捕獲し、ジビエ料理として利用する方法も始まっています。もちろんサルを銃猟によることも可能ではあります。しかし撃つ側にとっても非常にいたたまれないことだそうですし、仮に撃つにしても、集団として妨害や仕返しで危険を伴うともいいます。しかもサルは食肉として利用することもないため、処分に困るので手を付けられないとも。山間地の農林業ばかりでなく、家に入り込むなど生活そのものに支障を来すようになっている猿害には、まだこれといった対応策がありません。●帰路往路は国道49号を主に阿賀野川沿いのコースをとって流域のさまざまな景観や資源等を見てきましたが、帰路はまとめとして磐越自動車道で上から観察することとしました。水無月トンネル奥阿賀遊覧船発着所19 University of NIIGATA PREFECTURE