平成24年度新潟県立大学 公開講座

平成24年度新潟県立大学 公開講座 page 11/80

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第1回公開講座 バスツアー 阿賀野川流域を知る阿賀野川をどう学ぶか。第1 回のバスツアーは単に現状を観察する巡視ではなく、直接観察することのできない背景をどう見るかについての視座を提供することを目的と....

第1回公開講座 バスツアー 阿賀野川流域を知る阿賀野川をどう学ぶか。第1 回のバスツアーは単に現状を観察する巡視ではなく、直接観察することのできない背景をどう見るかについての視座を提供することを目的としました。第一の視座は生活です。人間生活学部を置き、人文学系の科目をも擁する新潟県立大学です。阿賀野川がその流域で生活する人や社会とどのように関わっているのかを考えるのが最初に必要です。河川は、現在では固定された場所を流れているかのように思われますが、それは近代以降になってからの話。阿賀野川は、もともと現在の蒲原平野全体を信濃川とともに氾濫原としていたものが、徐々に流路が固定され、そして人工的に信濃川と河口が分離され、日本海に直接注ぐようになった歴史を持ちます。県立大学のすぐ北にある通船川は、海岸沿いの砂丘に行く手を阻まれていた阿賀野川を信濃川と接続していた名残りですし、福島潟や瓢湖は阿賀野川の遊水池が取り残されたもの。16世紀末、加賀・大聖寺から新発田へ移された溝口秀勝公は6 万石でした。幕末まで続く12 代のうちに実質40万石とまで言われるようにした大規模な水田の開拓はまた、阿賀野川の治水と利水によってもたらされた訳です。まず、このことを感じるきっかけにしてほしいのが、現在の新潟市北区=旧豊栄市における阿賀野川と人々・社会との関係です。●松浜市阿賀野川左岸にある県立大学から右岸に渡り、福島潟の放水路・新井郷川に沿って最初に向かった訪問地は、松浜本町地内で行われている「松浜市」。そもそもツアーをこの日に開いたのも、毎月2 と7が付く日に行われている市の開催が土日にあたる日を選んででした。松浜市は明治初年には行われていたといいます。露店のテントで日用品や食料品が売られているのですが、そこにはどんなものがあるのかが一つのポイントです。露店らしからぬ新品のニットをはじめとした繊維製品があるのは、産地である五泉市がすぐ上流だから。野菜や果物の中には、阿賀野川と信濃川の間の平野で栽培されているもの多数。市の500メートルほど北に松浜漁港はあるけれど、魚介類の数は塩乾物・鮮魚ともさほど多くなく、必ずしも地元産という訳ではありません。ここで気付いてほしいのは、川魚は売られていない、ということです。日時:平成24年10月7日(日)コース:阿賀野川・松浜(新潟市北区)?鹿瀬ダム(東蒲原郡阿賀町)コーディネーター:田口一博(新潟県立大学国際地域学部准教授)第1回公開講座バスツアー 阿賀野川流域を知る蒲原大平野碑松浜市ニット店9 University of NIIGATA PREFECTURE